2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K08913
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
光星 翔太 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70746875)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺胞上皮細胞 / 細胞シート / フィーダーフリー / 移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
臓器移植、人工臓器の発展、進歩は目覚ましいが、それぞれ克服すべき課題がある。臓器移植ではドナー不足、免疫拒絶反応、人工臓器では耐久性、生体親和性、抗血栓性などの課題があり、これらを克服するための手段として再生医療が提案される。先端生命医科学研究所で開発した温度応答性培養皿を用い作製した細胞シートは様々な疾患、臓器で、再生医療として臨床応用されている。 肺再生に重要とされる肺胞上皮細胞(Alveolar epithelial cell: AEC)は長期培養が困難とされ、複雑な立体構造と機能を持つ肺においては再生医療が進んでいない。現在までに臨床応用へ期待できるAECシートを作製し報告してきた。 Outbredラット/Green fluorescent protein(GFP)トランスジェニックラットの摘出肺からAECを単離し、使用する。AECをフィーダーフリー(FF)で低Ca2+培地を用い培養した。培養細胞を温度応答性培養皿へ継代し、コンフルエント後にCa2+を添加し細胞シートとして回収した。AECは20継代まで培養を確認し、1継代、10継代、20継代の培養細胞を用いて細胞シート作製可能であった。1・10・20継代の培養細胞、細胞シートではAECのマーカーであるaquaporin(AQP)-5、 Surfactant Protein(SP)-A、SP-C、SP-D、Axin-2陽性を呈した。無胸腺ラットの肺切除断端へ作製したGFP-AECシートを移植し、1週間後に移植部位へ紫外線をあてるとGFP蛍光を認めた。移植肺のGFP陽性を示す部位に一致し、AQP-5、SP-A、SP-C、SP-D、Axin-2陽性を呈し、AECの特性を保持していた。 FFでAECの長期培養条件を確立し、作製したAECシートは肺への移植でAECの特性を維持し生着した。
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