2022 Fiscal Year Research-status Report
人工心肺中における脳梗塞の病態の解明:水素ガスによる二次性脳損傷予防
Project/Area Number |
21K08920
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大橋 雅彦 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (80817792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 芳樹 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00252198)
川島 信吾 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10467251)
加藤 孝澄 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (80204478)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 人工心肺 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓大血管手術後の脳障害は発症すると予後を著しく悪化させる。虚血再灌流障害が重要な要因であるが、虚血による直接的な脳損傷後に起こる二次性脳損傷(脳虚血進行、脳代謝障害、頭蓋内環境変化)がさらに予後を悪化させ、その予防が重要になる。人工心肺の使用による塞栓や低潅流、炎症反応の惹起はその二次性脳損傷を悪化させる要因と重複しているものが多い。近年水素ガス吸入が虚血後の脳梗塞範囲を軽減するという報告が散見される1)。つまり水素ガスは脳梗塞後の炎症反応を抑制して二次性脳損傷を予防する可能性がある。 本研究は、ラット人工心肺モデルを用いて、人工心肺からの水素ガス投与が、活性酸素抑制効果によって二次性脳障害に対する保護効果があるか、さらに血管内皮傷害のマーカーであるグリコカリックスの観察を行い、人工心肺の血管障害を水素が保護できるかどうかを調べた。28匹のラットを4群(4%H2群、2%H2群、control群、sham群)に分け、90分間のCPBとその後120分間の経過観察を行った。H2群は分子状水素をCPB開始から人工呼吸器と人工肺から投与し、CPB終了後も60分間人工呼吸器から投与した。経過観察後、採血と灌流固定を行い、心臓、肺、脳のEGの厚さを電子顕微鏡像で測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症により試薬の購入が停滞していた期間があり、実験を中止せざるを得なかった。人工心肺用の人工肺が生産が追い付かないため入荷できない期間が生じてしまっていた。今現在も供給は不安定のままである。
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Strategy for Future Research Activity |
機材などはそろっているので、実験環境は整っている。物流も正常化していくと思われるので、当初の計画通り進むものと思われる。
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Causes of Carryover |
実験が遅れている分それにかかる予定であった消耗品と動物の料金が繰り越しとなったため。
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