2022 Fiscal Year Research-status Report
吸入麻酔薬が敗血症における筋萎縮に及ぼす予防効果の検討
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21K08922
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
甲斐 慎一 京都大学, 医学研究科, 講師 (30770177)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筋萎縮 / 吸入麻酔薬 / 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
吸入麻酔薬が敗血症における筋萎縮に及ぼす影響を検討するため、マウス由来筋芽細胞C2C12細胞を用いたin vitro実験から開始した。吸入麻酔薬であるセボフルラン(1-3%)およびイソフルラン(1-3%)をC2C12細胞に曝露させ骨格筋量の変化を検鏡にて細胞の直径を観察したところ、吸入麻酔薬の暴露は、C2C12細胞の直径を小さくした。これに対して、筋萎縮に関連する各種シグナル伝達経路の評価を行った。 蛋白合成経路を確認するため、AkT, mTOR, S6K蛋白の発現量およびリン酸化についてWestern blotting法を用いて解析した。吸入麻酔薬の暴露は、S6K蛋白のリン酸化を抑制するなど蛋白合成を抑制する働きを示した。蛋白合成の抑制に関しては、AMPKの活性化が関与していると考え検討を進めている。 また、蛋白分解経路を評価するためにユビキチンプロテアソーム経路の代表的なリガーゼであるAtrogin-1とMuRFの発現についてqPRとWestrn blottin法を用いてmRNAおよび蛋白を解析した。吸入麻酔薬の暴露はこれらの発現量を増加させており、蛋白分解も亢進している可能性が示された。そのため、この経路の検討を継続する一方でオートファジー経路など他の蛋白分解に関わる経路についても解析範囲を広げている。 in vitro実験においては、LPS刺激等において吸入麻酔薬はIl-6 mRNAの発現量を抑制するなどの結果は示せているが、筋萎縮に影響している結果は見られていない。今後は吸入麻酔薬による直接的な作用をin vitro実験で検討するとともにマウスを用いたin vivo実験を通して敗血症モデルに対する影響についても確認していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitro実験において、敗血症モデルとしてLPSを用いたが吸入麻酔薬を曝露させても筋萎縮に対する影響を観察することができなかった。これについては、LPS刺激では不十分であった可能性がある。現在、in vitro実験において敗血症を模するための代替案を検討しつつ、マウスを用いたin vivo実験での検討を準備中である。 既に吸入麻酔薬の暴露がC2C12細胞に影響を与えるという実験結果は示せており、マウスにおける実験系の確立とその検討を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro実験については、既に吸入麻酔薬の影響を示せており今後もその機序の解明に注力していく。しかし、in vitro実験においては敗血症モデルとしてLPS刺激を用いたが効果が不十分と考えている。今後については、敗血症を模する他の方法を検討しつつ、マウスを用いた実験を開始していく。評価方法については、既に確立済みであり適した実験モデルを作成後随時解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
マウスを用いた実験の開始を遅らせたため資金を次年度に繰越した。
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Research Products
(1 results)