2021 Fiscal Year Research-status Report
Clarifying the opioid misuse status in Japan and associated risk factors through clinical epidemiology and genetic researches
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21K08930
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
井関 雅子 順天堂大学, 医学部, 教授 (80221076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 敬介 順天堂大学, 医学部, 教授 (10338410)
山田 恵子 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (10821506)
千葉 聡子 順天堂大学, 医学部, 助教 (30375050)
山口 重樹 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50306198)
高雄 由美子 兵庫医科大学, 医学部, 臨床教授 (60243309)
池田 和隆 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 分野長 (60281656)
池宮 博子 順天堂大学, 医学部, 助手 (60899003)
菊池 暢子 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (80795112)
濱岡 早枝子 順天堂大学, 医学部, 助教 (80812437)
山田 愛子 順天堂大学, 医学部, 助手 (90621954)
原 厚子 順天堂大学, 医学部, 助教 (00330861)
清水 礼佳 順天堂大学, 医学部, 助手 (20909212)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オピオイド鎮痛薬 / 遺伝子多型 / 薬物不適正使用 / 薬物依存 / 慢性疼痛 / 神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
「本邦のオピオイド不適正使用の実態とリスク因子を臨床疫学と遺伝子研究から解明する」という課題に基づいて、研究の実施とその準備を進めた。本年度は、臨床分野において非がん性慢性疼痛に適応のあるオピオイド鎮痛薬がどのように使用されているかを現状把握するための調査研究として「順天堂大学医学部附属順天堂医院における慢性疼痛 に対するオピオイド使用状況と患者背景の後方視的 使用状況調査:倫理承認E21-0210」を施行した。その結果、強オピオイドが術後疼痛に一時的に使用されていることが明らかになり、第51回日本慢性疼痛学会で発表しており、日本慢性疼痛学会誌に投稿を進めている。また次年度に向けて、オピオイド長期使用者の現状とストレスや睡眠の質の観点からの研究を施行するために、当科の患者を対象とした研究計画を研究分担者と議論を重ねて前方視的観察研究を計画し、倫理委員会提出の準備中である。さらに本研究の主目的の1つである、ビックデータから本邦の慢性疼痛患者に対するオピオイド処方現状を明らかにするための研究として、厚生労働省が所管するレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)データを利用するための諸手続きを、厚労省とNTTの両者に対して施行した。その結果、NDBデータから平成25年度以降の各オピオイド薬物別 に慢性疼痛への使用量と使用期間を調査して、 本邦における「6か月以上の長期投与」and/or「モルヒネ換算90mg以上の使用」の処方が 占め る割合や推移を明らかにするための研究準備が完了した。さらに本研究のもう1つの主研究に該当する遺伝子多形探索研究に関しては、東京都医学総合研究所精神行動医学研究分野の研究分担者とリモート会議を重ねて、当科の患者を対象として具体的な研究計画を練り、倫理委員会申請の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床研究を進めながら、NDBデータの利用のための準備や、遺伝子多型の研究準備など、並行して進めることができたため、倫理委員会には現時点で臨床前視研究と遺伝子多型研究の倫理委員会提出の準備が完了しており、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当科におけるオピオイド長期使用者の疼痛強度やストレスや睡眠の質の評価、についての前方視的臨床研究と、オピオイド使用や難治性疼痛も包括した遺伝子多型に関するトランスレーショナル研究を推進するために、当科の研究分担者による対象患者への協力依頼を推進していく必要があるため、目的や社会貢献、倫理面の配慮についても共有するためのスタートアップミーテイングを施行して、安全かつ確実に研究が遂行できる体制を構築する。また、NDBデータを利用した解析研究に関しては、NDBデータ取り扱い規約を遵守して厳重な保管体制のもとに、できるだけ短期間で解析を終了させるよう最優先で研究を進めていく方針である。本年度は、これらの臨床研究、トランスレーショナル研究、NDBデータ解析による研究の3本立てとして進めているが、臨床研究に関しては本年度内に対象リクルートの終了を目指し、学会発表や論文作成につなげていく。トランスレーショナル研究に関しては、本年度だけではなく研究終了時まで可能な限りデータを集積することで、より質の高い研究結果が得られるように計画している。NDBデータ解析から得られる研究に関しては、今回第1回でスクリーニング的な評価を短期間で施行し、学会発表や論文作成につなげる。また、必要に応じて次年度にさらに掘り下げたデータの解析研究を予定する。多施設での強オピオイド使用者に関する研究に関しては、本年度にリモート会議を開き、使用状況も含めて現状に合わせた臨床研究を考案する必要がある。
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Research Products
(1 results)