2021 Fiscal Year Research-status Report
新規鎮痛薬・鎮痛法開発を目指したNav1.7機能喪失型先天性無痛症の病態機序解明
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21K08938
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
堀下 貴文 産業医科大学, 医学部, 教授 (40369070)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / 先天性無痛症の病態解明 / 機能喪失型Nav1.7 / Nav1.7と痛み受容体の相互関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経障害性疼痛や侵害受容性疼痛を成因とする慢性疼痛は、既存の鎮痛薬では治療困難な例が多く、新たな鎮痛薬・鎮痛法の開発が進められてきたが、未だ有効なものは開発されていない。生涯にわたり痛覚が消失する先天性無痛症は、電位依存性ナトリウムチャネル(Nav)サブユニット、Nav1.7の機能喪失を伴う遺伝子異常を成因とする先天性疾患である。先天性無痛症をモデルとし、新たな鎮痛薬として選択的Nav1.7阻害薬の開発が行われてきたが、臨床的に期待された鎮痛効果が得られなかったことから、先天性無痛症患者の病態は未だ解明されていないと言える。薬物による先天性無痛症の病態再現は、極めて強力な鎮痛薬・鎮痛法になる可能性を秘めている。そこで、慢性疼痛に対する新たな鎮痛薬・鎮痛法開発に貢献するために、先天性無痛症患者の病態を分子レベルで解明することを目的として、研究計画を立てた。①電気生理学的手法(アフリカツメガエル卵母細胞発現系)を用いた野生型Nav1.7と共発現した痛み受容体の機能解析、②電気生理学的手法(アフリカツメガエル卵母細胞発現系)を用いた機能喪失型Nav1.7と共発現した痛み受容体の機能解析、③慢性疼痛モデルマウスに対する選択的Nav1.7阻害薬と痛み受容体選択的阻害薬の併用療法の影響解析、である。 令和3年度は、研究計画①のため、野生型Nav1.7と痛み受容体(TRP受容体、ATP受容体など)のcRNAをアフリカツメガエル卵母細胞に注入し、細胞膜表面にイオンチャネル・受容体を発現させ、野生型Nav1.7と痛み受容体を共発現した状態での機能解析を計画したが、共発現による細胞への障害が強く、機能解析を得るに至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
野生型Nav1.7と痛み受容体を共発現した状態での機能解析を計画したが、共発現による細胞への障害が強く、機能解析を得るに至らなかった。共発現させるため、細胞内へのRNA注入量が増加し、RNAによる細胞障害が原因と推測された。
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Strategy for Future Research Activity |
Nav1.7と痛み受容体を共発現させるため、細胞内への総RNA注入量が増加し細胞障害がおこり、機能解析に至らなかったと考えられる。今後は、細胞障害が発生しない程度のそれぞれのRNAの至適投与量を探りながら、機能解析が実行できる状態を作り、実験を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
購入予定していた物品が、残額以内では購入できなかったため、次年度に購入を持ち越したため。
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