2021 Fiscal Year Research-status Report
敗血症性急性腎傷害の早期発見-尿中酸素分圧を用いての検討-
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21K08947
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井口 直也 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師(常勤) (00372623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 昭則 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00324856)
藤野 裕士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50252672)
酒井 佳奈紀 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90647504) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 急性腎傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は尿中酸素分圧持続測定の準備を周到に行い、実際に測定を開始した。まず尿中酸素分圧と血圧との関係の検討を行った。敗血症患者の急性腎傷害の早期発見への尿中酸素分圧持続測定の有用性を検討するにあたり、尿中酸素分圧と血圧との関係性を明確にしておくことが必要なためである。 尿中酸素分圧値と血圧との関係を検討するにあたり、血圧・血流量の検討を行うために人工心肺を用いた研究の結果をまとめ、論文発表を行った(2編、共著者)。人工心肺使用手術後の急性腎傷害発症には腎髄質酸素分圧の低下が関与し、腎髄質酸素分圧に尿中酸素分圧が緊密に追従することが明らかになっている。本腎髄質酸素分圧の低下は血圧及び血流量を上昇させる事で補正されること、また血圧の低下が腎髄質酸素分圧・尿中酸素分圧の低下をもたらし、ヘモグロビン濃度を上昇させることでは改善しないことが明らかとなった。 また人工心肺を使用しない全身麻酔で行われる手術においても検討を行い、学会発表を行った。人工心肺を用いない手術においても、血圧により尿中酸素分圧は影響を受けることがわかった。より詳しく調べると、平均血圧と尿中酸素分圧は正の相関の傾向を認めることが明らかとなった。また安全に測定できることも重ねて明らかとなり、今後の測定の実行可能性を改めて確認できた。 血圧と尿中酸素分圧値の関係の検討は敗血症患者の複雑な血行動態の尿中酸素分圧値への影響を検討するにあたり有用な情報であり、敗血症患者の尿中酸素分圧持続測定を用いた急性腎傷害の早期発見、腎代替療法施行時の尿中酸素分圧値の検討を行う本研究課題の今後の遂行に役立つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
敗血症患者の複雑な血行動態、循環管理の中心となる血圧に関して、尿中酸素分圧と腎髄質酸素分圧への影響を検討し論文発表・学会発表を行った。この検討は今後の基礎的データの取得、交絡因子の検討を容易にするために必要であった。論文作成および測定開始の準備に時間を必要とした。
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Strategy for Future Research Activity |
安全に測定できることは重ねて明らかになったので、臨床データを取得し敗血症患者での検討を進める。
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Causes of Carryover |
今年度は論文作成を中心に行ったためと既存の機器を使用したためである。 次年度以降は酸素分圧測定プローベの購入を行う。
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