2021 Fiscal Year Research-status Report
妊娠高血圧と中枢神経性調節:機能的磁気共鳴イメージングを用いた脳機能的結合性解析
Project/Area Number |
21K08959
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中畑 克俊 関西医科大学, 医学部, 講師 (70332971)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、同一被験者における非妊娠期から妊娠期、産褥期それぞれにおける脳機能的結合解析をプロスペクティブに行い、先行研究にて見出した眼窩前頭皮質をフォーカスとした前帯状皮質との脳領域間結合特性と血圧データとの関係を網羅的に解析することが目的である。大学倫理委員会の承認申請は、すでに受諾されているため申請の必要がなかった。同一被験者を非妊娠期から妊娠終了まで比較的長期間に渡り追跡する必要があり、1年目になるべく多くの被験者を募集する計画であった。非妊娠女性の被験者の募集は、附属病院生殖医療センターの岡田英孝センター長の許諾のもと、生殖医療外来を受診した患者を対象とすることを計画したが、当該患者から同意取得が難しいと判断し、分娩を目的に入院した妊婦から被験者を募ることにした。15例の同意取得が得られたが、4例が自己意思にて中止となった。妊娠を終え月経周期が戻る6ヶ月以降に取得したデータを非妊娠期のものとしてデータ集積を開始した。ネットワーク解析には、SPM8およびMATLABを用い、主成分解析、灰白質抽出を行った。撮像中のHeadmotionの補正、標準化、周波数のフィルタリングはCompCorにて実施した。3テスラの高解像度MRI装置にて安静閉眼状態時のBOLD信号を計測し、6分間の時系列データから0.01-0.1Hzの低周期信号から大脳全皮質内のvoxel(6×6×6mm)におけるrGCを計算する計画であるが、次年度以降に解析することになった。血算生化学検査項目に加え、sFlt-1、PlGF、エストラジオール、プロゲステロンの血中濃度を副次的評価項目とする。また、前頭葉機能の評価方法として、ストループ試験およびトレイルメイキングテストによる神経心理検査、さらに簡易抑うつ症状尺度、エジンバラ産後うつ病自己評価表を用いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
非妊娠女性の被験者の募集は、附属病院生殖医療センターの岡田英孝センター長の許諾のもと、生殖医療外来を受診した患者を対象とすることを計画したが、当該患者から同意取得が難しいと判断し、分娩を目的に入院した妊婦から被験者を募ることにした。15例の同意取得が得られたが、4例が自己意思にて中止となった。
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Strategy for Future Research Activity |
エントリーした非妊娠期被験者について、妊娠34週から39週の妊娠後期、また分娩後7日以内の産褥期に血圧およびfMRIデータを取得し、副次的項目の評価も行う。各被験者におけるrGCの特性変化を確認し血圧および各種臨床検査指標との関係について解析を重ねる。
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Causes of Carryover |
対象患者を生殖医療センター受診者から、分娩入院患者へ変更したため、当初の計画より少ない対象例件数となった。このため謝金その他検査経費に余剰が出た。また学会参加など学術活動が感染拡大のため皆無となったため、出張旅費などの使用が全くなかった。翌年度は引き続き対象症例を集めるため当該年度と合わせて使用する計画である。
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