2023 Fiscal Year Annual Research Report
Cardioprotective effect of lactoferrin via PI3K/Akt pathway against stunned myocardium
Project/Area Number |
21K08965
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
松川 隆 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80209519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中楯 陽介 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50597002)
小口 健史 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60201399)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心筋虚血再灌流障害 / ラクトフェリン / 心臓手術 / 人工心肺 / 心収縮力 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋虚血再灌流障害にはPI3k/Akt経路が関与している。ラクトフェリンはPI3K/Akt経路を活性化するとされ、心筋虚血再灌流障害に対する保護効果が期待される。本研究の目的はラクトフェリンの心筋虚血再灌流障害に及ぼす効果と機序を解明することである。 摘出孤立心臓を、Langendorff 法を用いて左室圧、冠灌流量、心筋酸素消費量などを測定することで心機能を評価することとした。 虚血前灌流、無灌流虚血、再灌流による虚血再灌流障害もモデルをを用いて、ラクトフェリンの投与経路、投与量、投与タイミングについて対照群との心機能回復を比較することで、再灌流時に心機能をより改善するか検討することとした。 ラクトフェリンを経腸的に投与した場合と灌流液に直接混合して投与した場合で、ラクトフェリンの心筋虚血再灌流障害への効果の評価を行った。灌流液にラクトフェリンを直接混合投与した場合には心筋保護効果が認められなかったが、経腸管的に投与した群において虚血再灌流後の心機能の回復が促進が確認できた。 経腸的ラクトフェリンの保護効果に関して、シグナル経路の解析をウエスタンブロット法を用いて行った。シグナル経路に関しては、PI3K/Akt経路は関与しておらずPKA経路を介していることを明らかにした。さらに心筋内GLP1の上昇が認められ、ラクトフェリンの直接作用ではなく、二時物質誘導して効果でが得られたことが示唆された。 腸管から吸収されるラクトフェリンを心臓外科手術の術前に使用するすることで、周術期の心筋保護戦略になる根拠の一部が得られた。
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