2022 Fiscal Year Research-status Report
Exploring of the role of IgG antibodies in Fibromyalgia syndrome
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21K08970
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
野村 有紀 神戸大学, 医学研究科, 講師 (60643955)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 線維筋痛症 / IgG |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、線維筋痛症患者におけるIgGがもたらす病態のメカニズムを明らかにすべく、①線維筋痛症患者から精製分離したIgGおよび健常者由来のIgGをマウスへ投与し、ストレス負荷の有無によるマウス組織への局在および動態を解析し、②局在を認めた組織において、ターゲットとなる分子候補を検討することで、線維筋痛症の病態メカニズムを明らかにすることを目的としている。 本年度は線維筋痛症患者および健常者の血清より精製分離したIgGに対して蛍光色素の付加を行い、足底切開による手術侵襲を加えたマウスへの投与を行った。その後、In Vivo Imaging System(IVIS Lumina LT)を用いて体内分布を観察したところ、線維筋痛症患者由来のIgGでは健常者由来のIgGに比較して、中枢組織(脳、脊髄、後根神経節)への蓄積が多い傾向が認められた。また、足底切開創においても線維筋痛症患者由来IgG投与マウスにおいて蛍光シグナルがより強く認められた。さらに免疫組織染色を用いた分布、局在の解析を行ったところ、脳、脊髄においては、特に組織外膜への局在を確認した。また足底切開創部におけるIgGの局在は現在解析中である。 一方、免疫沈降‐質量分析法によって、線維筋痛症患者由来IgGが結合する可能性のあるターゲット物質を解析したところ、Transient receptor potentialチャネルのサブタイプをはじめとする複数のタンパク質が得られたことから、今後各々のタンパク質の病態への関与について解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光ラベルしたIgGの静脈内投与による手技のバラつきによると思われる結果のバラつきを認めたため、投与方法の再検討を行い、最終的には容量を増量して、腹腔内投与で手技の統一を行った。 またカロリンスカ研究所からの新たな患者および健常者由来IgGの譲渡に時間を要しており、研究計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
創部へのIgGの蓄積については、皮膚組織を構成する細胞および免疫細胞へのIgGの局在について詳細を解析する。また新たなIgGを入手して、N数を増やして、本年度得られた結果の確認を行う。
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Causes of Carryover |
昨年度内の物品および消耗品の納入が間に合わなかったため。今年度に購入、使用予定である。
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