2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規分子を標的とした痒み治療薬の開発に向けた末梢神経における痒み伝達の解明
Project/Area Number |
21K08976
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
丸山 智之 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00894883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時永 泰行 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60438281)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IL-31 / Tmem45b / 掻痒 |
Outline of Annual Research Achievements |
掻痒の知覚、熱性痛覚過敏に関与するTRPV1、TRPA1がIL-31RAと共発現していることが報告されている。当教室で研究しているTmem45bという分子は機械性痛覚過敏に深く関わっている。しかし、熱性痛覚過敏には関与せず、TRPV1、TRPA1と共発現している。IL-31RA、TRPV1と共発現しているTmem45bは掻痒に関わっているのではないかと考えた。wildマウスの後根神経節に対して免疫染色とin situ ハイブリダイゼーションを行い、IL-31RA、Tmem45b、TRPV1の3重染色を行ったところ、Tmem45b陽性かつTRPV1陽 性の細胞のうちIL-31-RAも陽性であったものは60%認められ、高率に共発現していた。IL-31RA、Tmem45b、TRPV1の間には掻痒に関する関連性があると考えられる。 マウスに対して掻痒誘発物質(IL-31、ヒスタミン、クロロキン、SLIGRL、Compaund48/80)の投与を行い、掻爬回数を評価したところ、wildマウスに比較して Tmem45bKOマウスは溶媒投与では掻爬回数に差がなかったものの、IL-31、Compound48/80で掻爬回数が有意に低いことが行動実験として示された。(128.3 ± 28.4 vs 89.6 ± 24.1, p = 0.0297)。また、モデルマウスとしてDFNBやイミキモドを使用したアトピー性皮膚炎モデルを作成し、同様に掻爬回数を測定した。wild、Tmem45bKOマウスで明かな差がないことが認められた。これらの結果をもって論文を執筆中である。論文査読者から指導があれば追加実験などを行う予定としている。
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