2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K08987
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
戸部 賢 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (90400770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 貴史 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (60739621)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 局所麻酔薬 / 徐放薬 / 術後痛管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
関西大学機能性高分子研究室と共同で温度応答性ポリマーを用いたレボブピバカイン徐放薬の作成に成功し、その徐放曲線を確認したところ2日間程度の薬剤放出を確認した。その徐放薬を用いて、ラット術後痛モデルを用いた行動実験ならびに毒性試験を行った。術後痛は臨床使用濃度の局所麻酔薬を用いたときに比べて長時間の鎮痛効果を示した。これは局所麻酔薬徐放薬が生体内(ラット)においてもゆっくり薬剤を放出していることの証明であり、温度応答性に薬剤放出することをサポートする結果かもしれない。臨床使用濃度より高い濃度の局所麻酔薬を神経周囲に用いると運動障害を生じることで知られるが、同じ薬剤濃度の局所麻酔薬を用いた際には麻痺の程度が強かったが、徐放薬を用いた際には麻痺の程度は少なかった。こちらも薬剤がゆっくり放出することをサポートする結果となったと言える。また投与部位周囲の神経や筋肉への影響を調査するために、投与部位周囲を広く固定して切片作成してH-E染色を行い、病理学的な評価を病理医に行っていただいた。結果としては、炎症細胞の浸潤は認められるが、筋肉や神経への直接的な影響は少なかったことが証明された。 ここまでの研究内容をまとめるとある程度ゆっくり放出するレボブピバカインを用いた局所麻酔薬の作成に成功し、また注射可能性剤として作ることができた。それを用いて長時間の鎮痛効果と有害事象のないことを確認することができた。現在これらの実験結果をまとめて、それらを考察し、これまでの研究テーマと比較しその意義について吟味したうえで投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の移動制限などの影響により関西大学との情報交換の機会の減少により薬剤作成の議論がやりにくい環境ができてしまったことがひとつの要因である。 学会についても以前に比べて開催が少ないため、意見交換の場が少なくなっていて、それも影響がないとは言えない。 臨床研究を行うハードルがかなり上がったため、薬剤作成や動物実験に関してはこれまで同様の手法で研究を進めることができるが、その先の人への応用ということを考えると薬剤作成自体もかなり厳密にやる必要性がありコストが膨大になる。協力していただけるような製薬会社があればそのあたりは加速する可能性もあるが、現状作成した薬剤の効果や毒性の試験をもう少し進めるのが先決であり、研究結果へのヒトへの応用という点においては研究の進捗は遅れているといえる。 自由な往来が可能になった際には、さらに効果作用時間の長い薬剤作成や組織影響性の少ない薬剤の作成などを検討するために関西大学を含めて、また他の研究室とも積極的に議論を進めつつ新しい徐放様式などについても検討を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
現在作成し研究を進めている温度応答性ポリマーを用いて作成したレボブピバカイン徐放薬は最大でも2日間程度の放出であるが、もう少し長くゆっくり放出するような製剤化を検討してみたいと考えている。また今回は比較的効果時間の長い局所麻酔薬ということでレボブピバカインを用いて作成しているが、同程度の作用時間のロピバカインに変更して薬剤特性が変わるかどうかに関して検討を追加したいと考えている。 動物実験はラットで行ったが、今後それらの結果を踏まえてより大動物での実験計画を立てたい。その中で薬剤効果持続時間と毒性の検討を行いたいと思う。大動物になると血液中の薬剤濃度推移も調査することができ、生体内での放出制御がどうなっているのかをより正確に検討することができるかもしれない。 一方でこれらの動物実験データがある程度揃って、前向きな結果となることに期待しつつ、ヒトでの応用に関しても様々な道を模索していきたいと考えている。ヒトに用いるためには、厳密な施設における薬剤作成が必要となり当施設にはそれらが備えられていないので、そのあたりのところから準備を進めたいと思う。 局所麻酔薬以外の鎮痛補助薬や局所麻酔薬の作用時間延長に関与するような薬剤に関しても徐放化や同時投与などを検討していきたいと思う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍もあり学会開催なども少なく前回取得の科研費の残額が生じているためそちらを先行して使用していた。環境も変わり海外学会などへ参加することも増えるためそれらの参加にかかる資金なども必要となるため、平時のものへ近づいていくことが想定される。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Implementation of a rapid response system at an isolated radiotherapy facility through simulation training.2022
Author(s)
Kawamura H, Komatsu Y, Tanaka K, Kanamoto M, Tobe M, Usami C, Hinohara H, Oshima K, Kitada Y, Tsuda K, Ogano T, Shimada H, Ohno T.
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Journal Title
BMJ Open Qual
Volume: 11
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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