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2022 Fiscal Year Research-status Report

長時間作用性局所麻酔薬の応用と周術期管理

Research Project

Project/Area Number 21K08987
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

戸部 賢  群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (90400770)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 須藤 貴史  群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (60739621)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords局所麻酔薬 / 徐放薬 / 温度応答性
Outline of Annual Research Achievements

関西大学と共同で行っている注射可能かつ生体内分解材料を用いた温度応答性のポリマーを用いたレボブピバカイン徐放薬は2日間程度放出を続けるものが作成することができた。試験管内における放出試験では、1日で50%程度、2日で60%程度を放出することが確認できた。この作成された2.25%レボブピバカイン徐放薬を用いてラットの術後痛モデルを作成し、行動実験で効果の確認を行い、さらに有害事象の確認を行った。ラット術後痛モデルを作成する前に、この徐放薬を含め4群に分けて、薬剤を坐骨神経周囲に投与し、ラット足底を切開する術後痛モデルを作成した。効果の確認に関しては機械的刺激からの逃避閾値を確認する方法で、手術前から術後3日まで行った。また有害事象の確認に関しては、麻痺のスコアを経時的に確認することと投与部位周囲の病理学的評価を行った。結果としては、臨床使用のレボブピバカインに対して徐放薬投与群においてより長時間の鎮痛効果を確認することができ、麻痺スコアにおいては軽度の麻痺を認めたラットもあったが長時間の持続はなかった。病理学的にも炎症細胞の浸潤は認めたが、周囲の筋肉や神経組織への影響は軽微なものであった。
レボブピバカインを用いて注射可能な徐放薬を作成し、ラットを用いた動物実験で安全に使用できることを確認できたことは非常に意義深いと考えている。
これらの結果に関して論文を作成して現在投稿中である。また海外学会において発表を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

徐放薬の作成ができて、そちらを用いたラットの行動実験においてもその長時間効果と明らかな有害事象がないことが確認することができた。現在はそれらの研究成果を論文化して投稿中にあり、雑誌社とのやり取りを経て発信できることを望んでいる。さらに海外へ渡航することが可能となり海外学会で発表して広く発信する予定である。ここまでの進捗に関しては概ね順調であると言えるが、今後臨床使用を見据えて、さらなる大動物や人での試験に関してはなかなか難しいことが予想される。

Strategy for Future Research Activity

ここまで作成した局所麻酔徐放薬を用いた動物実験では概ね想定した結果が得られて、これらを広く論文や学会発表を通して発信していくことが重要であると考えられる。また臨床使用に向けて、さらなる大動物での効果や副作用の検討を進めたり、また人ボランティアを用いた評価手法の検討などが必要となってくると思われる。近年の臨床研究法のもとでは人への使用は相当にハードルが高く、これらをクリアすることは非常に困難が予想される。
局所麻酔薬の作用自体を延長することができるような薬剤の併用やそれら薬剤の徐放化同時投与などを検討し、さらなる長時間効果が得られるような検討も進めていきたいと考えている。レボブピバカイン徐放薬に加えて、ステロイドやα2アゴニストを徐放化して同時投与することでより安全に作用時間が延長されて長時間効果が得られることが望ましい。
臨床応用を考えると今回の動物実験で炎症細胞の浸潤を認めたため、これらの変化がどの程度の時間、どのくらいの程度で組織へ影響するのかさらに検証を進める必要があると考えている。これらの安全性を担保しつつ、単回投与でかつ安全に数日間の術後鎮痛を達成することが当面の目標であり、これを達成するために徐放手法や薬剤のアレンジなども含めて広く研究者と意見を交わして情報収集していきたいと考えている。また臨床応用のためには滅菌されたラインで薬剤を作成したりする必要性も出てくると思われるのでそのあたりの作成技術や安全性評価も同時に検討していきたいと思う。

Causes of Carryover

コロナ禍もあり、海外学会への参加なども難しく次年度への持ち越し額が生じたが、海外学会での発表予定なども立ち、また論文投稿も開始したためそれら掲載料なども必要となるためそれらに充てることとなると想定している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] 今も昔も人々を悩ます疫病と水の確保 弘法大師の医学・医療2022

    • Author(s)
      戸部 賢, 須藤 貴史, 三枝 里江, 金本 匡史, 荻野 祐一, 麻生 知寿, 高澤 知規, 齋藤 繁
    • Journal Title

      The Kitakanto Medical Journal

      Volume: 72(3) Pages: 253-261

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 空海の医療記述2022

    • Author(s)
      戸部賢、齋藤繁
    • Journal Title

      日本医史学雑誌

      Volume: 68(3) Pages: 221-229

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2023-12-25  

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