2021 Fiscal Year Research-status Report
看護師が成す癌死72時間前の予測に関する非接触非拘束型生体情報モニターによる解析
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21K09007
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
菅沼 大 千葉県がんセンター(研究所), 緩和医療科, 医長 (70898402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 奈津子 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (80282474)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 癌終末期 / 生体情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌終末期の患者や家族にとって、よい終末期を迎えることは重要である。緩和病棟に従事している看護師は終末期のがん患者の病状変化を察知することが可能であると報告されている。しかし、看護師の成す患者の病状変化に関する評価と脈拍や呼吸、体動、および体重の変化に関する客観的なパラメータを明らかにした報告は限られている。その背景は、癌終末期の患者に対して、研究を目的とするモニター装置の24時間装着に対する同意を得ることは難しく、また倫理的な視点からも実施困難であったためと考えられる。 本研究の目的は、看護師が癌終末期の患者に病状変化が生じたと評価した前後で呼吸や脈拍、体動、および体重などの客観的なデータとの関係の調査を目的とした研究である。 本研究では、非接触型かつ非拘束型のモニターシステム(Bed Sensor System、以下BSS)を用いて、癌終末期の患者の生体情報を昼夜問わず測定し、記録することで癌終末期患者の生体情報を24時間絶え間なく記録する方法によって、既存研究の限界を打開することを考案した。 2021年度は千葉県がんセンター緩和病棟に緩和医療を受けるために入院された患者を対象に、BSSを用いて、バイタルパラメータと日々の看護師の評価を記録しており、有害事情の発生なく研究が進行している。引き続き、BSSを用いたバイタルパラメータの取得と癌終末期の患者の病状変化について看護師が成している評価に関する情報を取得する。 今年度は、BSSによって得られた呼吸や脈拍、体動などの客観的なデータを用いて、看護師が患者の病状変化と評価した前後での呼吸や脈拍、体動などの変化を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年8月10日に当センター倫理員会の承認を経て、プロトコルが確定した。 その後、資機材を準備し、2021年12月01日から患者のデータ取得を開始した。 目下、患者からのデータ取得を含め、有害事象の発生なく経過しており、概ね順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、患者の生体情報取得を継続する。 プロトコルで決定したサンプルサイズが達成された段階で、解析を実施する予定である。 研究の進捗状況は、概ね順調であるため、研究計画の変更は予定していない。
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Causes of Carryover |
当該年度はコロナ感染症流行によって国内外の情勢が不安定であった。その余波によって、購入予定であった図書の発刊や輸入が遅れたため購入できなかった。そのため、専門図書の購入を翌年度に見送ることとなった。 また、本研究はベッドサイドで測定装置を終日設置することでデータ収集をしている。当該年度に引き続いてデータ収集をしている。そのため、機器の故障などに対応するため次年度に使用額が生じることとなった。
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