2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K09010
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
十時 靖和 筑波大学, 附属病院, 病院助教 (00882200)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | FGF / リン酸カルシウム / ステンレス / 創外固定 / 家兎 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究で作成したCp-FGFコーティングピンの生体での安全性とその効果を評価するために家兎による動物実験を行った。本動物実験は筑波大学動物実験倫理委員会の承認を得て行った。家兎に経皮的なピン挿入を行い、4週間後に評価した。コーティングなし、リン酸カルシウムコーティングのみ、FGFリン酸カルシウムコーティングを施したもの、生物学的活性を高めたCp-FGFコーティングを施したものの4群に群分けした。 結果。肉眼的、細菌学的な感染評価として4群間で有意な差を認めなかった。感染までの期間においても有意な差を認めなかった。骨固着性として挿入、抜去トルクを計測したが、4群間で明らかな差を認めなかった。 予想に反して、生物活性を高めたCp-FGFコーティングを施したステンレススクリューは刺入部感染の発生率を低減せず、刺入部感染予防効果はステンレススクリューと有意差が無かった。Cp-FGFコーティングをチタンスクリューに施した過去の研究とは全く異なる結果であった。 チタンとステンレスという2つの基材による差であるのか、コーティングの品質にかかわる差であるのか、その原因検索を次年度の課題と考える
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予想されたコーティングによる抗感染、骨固着性の向上が認められず、チタンスクリューと異なる結果であった。その原因検索を行っていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
予想に反して、生物活性を高めたCp-FGFコーティングをステンレススクリューに施しても刺入部感染の発生率はステンレススクリューと有意差が無く、抗感染性効果の向上が認められなかった。この結果は、チタンスクリューにCp-FGFコーティングを施した先行研究の結果に反していた。Cp-FGFコーティングステンレススクリューの抗感染性効果がなぜ低いのか、その原因を解明して次の研究に向けての指針を得るため、次の段階としてステンレススクリュー上のCp-FGFコーティングの物理化学的性質とチタンスクリュー上のCp-FGFコーティングの物理化学的性質の違いを詳細に検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
実験予定の変更により凍結乾燥器の購入を行わないことになったため
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