2023 Fiscal Year Research-status Report
トランスクリプトームを用いた心停止の分子ネットワーク病態の解明と神経予後予測
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21K09018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中尾 俊一郎 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (80834150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 裕司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70301265)
松本 寿健 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (70644003)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心停止 / トランスクリプトーム / 予後予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、心停止患者の血液を用いた網羅的遺伝子発現に基づいて心停止および心停止後症候群の新規病態解明を行うことである。現在、当院に搬送された心停止蘇生後の患者でRNA検体を採取できた40例と健常人ボランティアの全血液検体を用いたRNAシークエンス測定を完了し、データを解析中である。 先にRNAシークエンス測定が完了していた検体を利用し、preliminary解析を実施した。健常人11例、心停止蘇生後患者31例のサンプルを用いて、オンライン解析ツールであるiDEPにuploadして解析した。pre-processで図表を作成した。主成分解析PCAでは心停止蘇生後患者 vs Controlとし、健常群と比較するとばらつきがあることが示唆された。発現変動遺伝子(Differentially Expressed Genes; DEG)解析では、心停止蘇生後患者 vs Controlに指定し、up regulationまたはdown regulationを視覚化したFigureを作成した。さらに遺伝子発現の変化を確認した。パスウェイ解析を行い、遺伝子群の変化をFigureにした。RNAの動きとして、炎症反応を起こすパスウェイが増強され、蛋白・代謝を生じるパスウェイは減少している可能性が示唆された。今後、測定したRNAシークエンス結果のすべてを用いて主成分解析、発現変動遺伝子解析、パスウェイ解析などを行い、遺伝子発現に基づいた心停止および心停止後症候群の分子ネットワーク病態を解明し、患者を層別化して予後との関連等を評価していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年の延長が必要だったが、目標としていた心停止蘇生後の症例40例と健常人ボランティアのRNAシークエンス測定を完了し、データを解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
心停止後症候群患者40例と健常人ボランティアのRNAシークエンス測定を完了し、データを解析中である。今後、心停止後症候群の分子ネットワーク病態を解明し、患者を層別化して予後との関連等を評価していく。
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Causes of Carryover |
価格変更などによる端数のため、次年度に使用します。
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