2021 Fiscal Year Research-status Report
iNOSセンスオリゴヌクレオチドを中心とした敗血症治療に対する基盤構築
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21K09032
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中竹 利知 関西医科大学, 医学部, 助教 (40779401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 幹雄 立命館大学, 生命科学部, 教授 (40192687)
奥山 哲矢 関西医科大学, 医学部, 博士研究員 (80614966)
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Project Period (FY) |
2021-01-01 – 2024-03-31
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Keywords | センスオリゴヌクレオチド / 核酸医薬 / 敗血症 / iNOS / 一酸化窒素 / TNF-α |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)初代培養ラット肝細胞および敗血症ラットモデルを用いたSO1の改良:SO1に、新たな難分解性の化学修飾や肝細胞に取り込まれやすい化学修飾した改良型を作成した。初代培養ラット肝細胞を用いて炎症刺激によるiNOS mRNA誘導の阻害が効率化されるか検討し、改良型SO1はiNOS mRNA発現レベルをSO1より低下させた。今後、様々な敗血症動物モデルで効果を明らかにする。(2)既存の別機序による抗炎症効果のある薬物とSO1との併用効果の検討:PH/LPSモデルラットに対して、SO1と遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(rTM)の併用による生存率への影響等を調べ、併用療法による生存率の上昇を確認した。病理学検査などの、抗炎症効果に対する詳細な解析を現在行っている(3)生存率を更に上げる遺伝子のmRNAをターゲットとした新規センスオリゴの開発:GalN/LPSおよびPH/LPSモデルラットの、肝臓のmRNAのマイクロアレイ解析を行った。代表的な炎症性サイトカインやケモカインなどのmRNA発現を比較して、顕著にmRNA量の変化がある遺伝子を特定し、IL-1シグナル伝達系のセンスオリゴを見出した。センスオリゴを肝臓切除後敗血症モデルラットへ投与すると、生存延長効果を認めた。こちらも効果に対する詳細な解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iNOSセンスオリゴSO1の改良に対し、肝細胞に取り込まれやすく化学修飾した改良型を作成すること、そして「生存率をさらに上げる遺伝子」のmRNAをターゲットとした新規センスオリゴの開発に関して、新たな修飾や遺伝子の同定に対して時間が必要であった。現状予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)敗血症モデルラットを用いて、改良型SO1による肝保護効果の改善を確認する。 (2)(3) 病理学検査などの、抗炎症効果に対する詳細な解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
端数の残額が出たため、次年度の研究に合算して使用する。
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