2022 Fiscal Year Research-status Report
重症熱中症の病態解明および血管内皮障害に対する新規治療法探索
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21K09033
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
平湯 恒久 久留米大学, 医学部, 助教 (00647745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 修 久留米大学, 医学部, 教授 (90236216)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 熱中症 / 細胞外小胞 / 血管内皮傷害 / 血小板由来蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、健常マウスより採血し、血小板を活性化させて2回の超遠心法で、血小板由来蛋白及びサイズの異なる2つの血小板由来細胞外小胞と3つに分けることができた。 今年度は熱中症モデルマウスの作成を行った。インキュベーター内に水を入れることで湿度80%以上の多湿環境を再現し、インキュベーターの温度設定を調整し高温多湿環境を作成した。マウスの腹腔内にボタン型温度データロガーを埋め込み、インキュベーターの温度を37℃、41℃の高温多湿環境に1時間マウスを入れて実験を行ったところ37℃では全例生存したが、41℃では全例死亡した。ボタン型温度データロガーを取り出し解析すると、37℃環境下ではインキュベーターに入れた後から徐々に腹腔内の温度が上昇し1時間後に40℃近くまで上昇する一方で、41℃の環境下ではインキュベーターに入れた25-30分後に腹腔内の温度がピークに達し、その後腹腔内温度は軽度低下しておりピークの時間付近で死亡したことが予測された。温度・時間をそれぞれ調整し最終的に40℃の環境下に30分おくことで腹腔内温度は42-43℃まで上昇し、死亡率は著明に低下した。細胞間接着障害による血管内皮傷害のマーカーとしてsoluble VE-Cadherinを測定したところ、37℃環境下と比較し40℃の環境下では有意にsoluble VE-Cadherinは上昇した。 今年度までに、モデルマウスの作成、血小板を活性化させて血小板由来蛋白、2種類の細胞外小胞の抽出を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
重症新型コロナウイルス感染症診療のために、研究時間を十分に確保することが難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究方法および研究に使用する装置等には問題は生じていない。研究遂行のための時間確保に努め、昨年度の遅れを修正したいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は十分な研究時間の確保が困難であった。(COVID-19のため) 次年度にマウス飼育料や、各種サイトカイン測定のためのELISAを購入する予定である。
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