2023 Fiscal Year Research-status Report
敗血症症例におけるDAMPs制御がImmunoparesisへ影響するか
Project/Area Number |
21K09051
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
黒田 浩光 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50535531)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升田 好樹 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10244328)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 敗血症 / Immunoparesis / DAMPs / MDSCs |
Outline of Annual Research Achievements |
過剰な免疫反応により放出されるDamage-associated molecular patterns(DAMPs)と免疫担当細胞の機能低下ImmunoparesisやDICの関連を調べるために,ICU緊急入室症例,主に敗血症の症例を対象として,これまでに46症例の検体を測定した。 DAMPsについてはHMGB-1, Histone H3に加えて,シトルリン化HistoneH3を測定し,159検体を測定した。FACSによる制御性T細胞発現率やPMN-MDSCs,単球MDSCs比率,P-selectin発現血小板比率は144検体で測定した。またサイトカインについては117検体で測定した。測定検体数の差異については,IL-6,IL-8, IL-10,TGF-Beta,Syndecan-1などのサイトカインは測定キットのウェル数とコストの点から,測定回数の少ない症例は測定から除外したためである。FACS解析が少なかったのは,測定機器のメンテナンスや競合などで適切なタイミングで測定できなかったためである。 現在,46症例の保存検体の検査結果がすべてそろった段階で,これから患者の治療経過や重症度などを含めて,検査結果と突合して,検討をはじめたところである。 DAMPsのデータの印象としては,臨床例のため,数値のばらつきがかなり大きく,解釈が非常に難しい可能性が高い。臓器不全との関連についても,関連性が明確に出てこない可能性がある印象である。しかしながら,これらは詳細に検討していないため,今後深く検討する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在46症例のすべての検査結果が返却されたばかりであり,個々の症例の治療経過を合わせた解析についてはこれからはじめるところである。当初の予定ではこの時期には,結果の解釈を概ね終えていて,発表や研究成果の執筆に当てている時期であるため,現在の状況はやや遅れている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)個々の症例の治療経過や臓器不全の重症度や,臓器不全の特性との関連なども踏まえて,DAMPsの値に違いがあるか検討する。 2)ImmunoparesisとDAMPsの関連については,2週間ぐらいICUで経過を長くみることができた症例しか検討できないので,それらについては別に検討を開始する。 3)DICとの関連やDICの治療との関連についても,探索的に調べていく。
|
Causes of Carryover |
研究成果発表のための旅費および論文作成時の英文校正費用として計上した。
|
Research Products
(2 results)