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2021 Fiscal Year Research-status Report

Cardiopulmonary function improving effect of fuzaprazib in experimental swine endotoxemia model.

Research Project

Project/Area Number 21K09054
Research InstitutionRakuno Gakuen University

Principal Investigator

伊丹 貴晴  酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (90724203)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 華園 究  酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (00737992)
宮庄 拓  酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (50568996)
佐野 悠人  酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (90806887)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords内毒素血症 / 豚 / フザプラジブ / 呼吸循環系機能 / 炎症性サイトカイン
Outline of Annual Research Achievements

フザプラジブは炎症細胞の表面に発現する接着因子の活性化を阻害することで血管内皮細胞への接着/浸潤を阻害し炎症を抑えることを特徴とした薬剤である。本研究ではリポポリサッカライド(LPS)により作成した内毒素血症モデル豚を用いてフザプラジブの炎症抑制効果を検討した。
豚を全身麻酔し、頚静脈に中心静脈カテーテルと大腿動脈にPiCCOカテーテルを設置し、血液ガス分析、全血球計算/生化学検査および炎症性サイトカイン測定のための採血を行い、経肺熱希釈法による心拍出量(CO)、動脈血圧(MAP)、心臓拡張末期容量(GEDV)および肺血管外水分量(EVLW)を測定した。フザプラジブ群(n=5)ではフザプラジブ0.048mg/kg静脈内投与後、0.075mg/kg/時間で持続静脈内投与し、対照群(n=5)では同体積の生理食塩液を投与した。大腸菌由来LPS 80 μg/kgを30分かけて静脈内投与し、経時的に前項目を測定した。
LPS投与後、フザプラジブ群2頭および対照群1頭が実験中に斃死した。両群でLPS投与によりMAP、COおよびGEDVは有意に低下したが、HRおよびEVLWは上昇した。ALP、総ビリルビンおよびクレアチニンは有意に上昇した。白血球および血小板は有意に減少した。インターロイキン(IL)-6はフザプラジブ群で有意差な差は認めず、対照群では有意に上昇した。各項目において群間ではいずれも有意な差は認められなかった。
本研究で作成した内毒素血症モデル豚では人医療の敗血症の病態を再現できた。多臓器不全の原因はCO低下と血管内皮障害によるものと考えられ、血管透過性亢進による循環血液量低下が一因と考えられた。IL-6は群間に有意差は認めないもののフザプラジブ群ではLPS投与後の上昇を抑制し得る結果が得られており、今後はフザプラジブ投与量の適正化と炎症抑制効果を評価していく必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2021年度前半はCOVID-19の蔓延により本研究で用いる筋弛緩薬およびプロポフォールの物流が滞ったため本研究課題の実施が制限されたが、後半は物流が落ち着きを取り始めて加速度をつけて研究を実施することができた。
内毒素血症モデル豚の作成も再現性の高いモデルを構築ができ、血液生化学や炎症性サイトカインなどに関して被検薬の効果を評価することができた。しかしながら、フザプラジブの炎症抑制効果をはっきりと得られる頭数までの蓄積には至っていない。2022年度では統計学的分析に足る頭数の確保と、統計学的分析の実施を目指す。

Strategy for Future Research Activity

2021年度はフザプラジブの炎症抑制効果を評価するに足る頭数まで実施できていなかったが、再現性の高い系を確立できていることから引き続き頭数を重ねていく。
しかしながら、白血球数の推移には明瞭な差が観察されていない。その理由の1つとして、フザプラジブが有効血中濃度に届いていないことが予想されたため、フザプラジブ血中濃度を測定して評価した。その結果、これまでの検討では有効血中濃度の1/3にとどまっていることが明らかとなったため、有効血中濃度に至るフザプラジブ投与量で研究を遂行していく。
さらに、今回作成した内毒素血症モデル豚は4時間で死に至る非常に強力なモデルであることから、呼吸循環系パラメータの評価が短時間で変動してしまい、フザプラジブの効果判定を行うことは難しいと考えられた。したがって、2022年度後半ではLPS投与量を減量して呼吸循環系機能を評価し得るモデル構築を目指すこととした。平行して、蓄積している血清サンプルをELISAキットにて炎症性サイトカイン測定を実施して結果との整合性を確認する。

Causes of Carryover

COVID-19の蔓延により参加予定であった日本獣医麻酔外科学会がオンライン開催となり、旅費として計上していた分が未使用となったため次年度使用額が生じた。今年度2回開催される同学会への旅費として再び計上予定であるが、対面もしくはオンライン開催のどちらになるかは現時点不明である。オンライン開催となり旅費での使用が無い場合には、科学論文作成に注力し、投稿に関わる費用へと使用転換を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 内毒素血症モデル豚におけるフザプラジブの炎症抑制効果の検討2022

    • Author(s)
      津久井春来
    • Organizer
      第104回日本獣医麻酔外科学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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