2021 Fiscal Year Research-status Report
出血性ショック下大動脈遮断解除後臓器障害おける病態解明
Project/Area Number |
21K09059
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
安松 比呂志 日本医科大学, 医学部, 助教 (80614809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増野 智彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (00318528)
岡田 一宏 日本医科大学, 医学部, 助教 (40740593)
松本 尚 日本医科大学, 医学部, 教授 (60242559) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大動脈遮断 / 出血性ショック / 虚血再灌流障害 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は『出血性ショック下大動脈遮断が各臓器に及ぼす複雑な病態および臓器障害の機序を明らかにすること』である。これを解明するために①出血性ショックモデル(HS)、②大動脈遮断モデル(AO)、③出血性ショック+大動脈遮断モデル(HS+AO)の3つの虚血再灌流障害メカニズムの異なる動物モデルを作成することを第一目標とした。出血性ショックモデルは問題なく作成された。③のモデルが非常に安定せず、生存するのは30%以下となっている。目標MAPや輸液蘇生を変更しながら安定したモデルを模索しているが、実臨床でもその生存率は低く、難しい課題である。そのため、まずは②のモデルを確立することに方針を転換し、至適遮断時間や蘇生量を模索している。 また、遮断解除後の病態や機序に関しては、どのようなマーカーを指標とし検体を採取するか、病理学的にどのような評価方法が良いかを、多数の文献を検索している。現在は虚血再灌流障害による各臓器のアポトーシスに着目し、アポトーシスに関連のあるカスパーゼの検出を検討している。大動脈遮断による横隔膜下臓器は虚血変化を受けるが、脳・心・肺は虚血よりも遠隔の再灌流障害の影響を受けるとの仮説の元に、脳障害・心筋障害などを病理学的に評価することを検討している。大動脈遮断の解除後の循環不安定で死に至る原因の追究にもなると考えており、臨床での疑問、壁を越えるためには非常に意義のある研究であると考えている。モデルは安定化の方向が見えてきており、今年度は試薬の決定・病理学的評価を実施していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の想定よりもモデル作成が難しく、安定したモデルとならない。 遮断時間や輸液蘇生を変更しながら至適なモデルを作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はモデル作成と並行して、病理学的評価の準備を始める予定である。虚血再灌流の指標としてアポトーシスに着目し、アポトーシスの際に活性化されるカスパーゼを評価する。遠隔での虚血再灌流の臓器障害として脳と心臓をターゲットとして評価を行っていく。
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Causes of Carryover |
計画的に実行していたが、残高が生じてしまった。ラットモデルができつつあるため、残高を次年度に持ち越して、試薬等の購入に充てていく所存であります。
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