2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K09072
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 僚太 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50889920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 元 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80533794)
高垣 匡寿 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70724433)
竹中 朋文 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60869527)
井筒 伸之 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20834170) [Withdrawn]
川端 修平 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20764062)
松井 雄一 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10764061)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 脳動脈瘤 / くも膜下出血 |
Outline of Annual Research Achievements |
未破裂脳動脈瘤(Unruptured Intracranial aneurysm:UIA)は昨今の画像技術の進歩、画像機器の普及に伴って発見される頻度が増加している。しかしながら、未破裂脳動脈瘤の破裂の機序は依然として不明であり、侵襲的治療を除けば未だ有効な破裂予防の方法がない。また、破裂率の低さを考慮すると、侵襲的治療の対象患者のうち、一生破裂しなかった患者も多く含まれていると考えられ、その適応もまだまだ改善の余地がある。 我々はこうした状況を解決するため、近年多くの炎症性疾患との関連が指摘されている腸内細菌叢に着目した。脳動脈瘤の破裂もまた炎症が重要な役割を持つため、他の炎症性疾患と同様に腸内細菌叢が関連していると仮説を立て、多施設共同前向き研究を行った。「くも膜下出血直後」と「安定した未破裂脳動脈瘤」の患者の腸内細菌叢を16S rRNAを用いて比較したところ、脳動脈瘤破裂に関わる有力な細菌を発見した。 本研究では、この結果をさらに臨床応用へと近づけるために、ホールメタゲノムショットガンシークエンスを用いて責任細菌種の同定を行うこと、責任細菌種の分離培養を行うこと、動物への責任細菌種の移植を行い、その作用機序を解明することを目的とした。 本研究の計画では、初年度でMWASによる責任細菌種の同定と責任細菌の分離培養を異計画していた。その計画に基づき、まずはくも膜下出血患者、未破裂脳動脈瘤患者の便検体収集を中心に研究を実施した。くも膜下出血では緊急入院の後に止血処置が行われ、患者家族の同意が得られた場合に検体を採取し、未破裂動脈瘤患者では外来で同意が得られた場合に検体収集セットをお渡しし、郵送で回収するという手法で回収を行った。検体は十分量が集められていると判断しており、回収した検体の一部はすでにMWAS解析を実施している。今後、残る検体の解析を実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、初年度の6ヶ月でMWASによる責任細菌種の同定を行い、残る6ヶ月で責任細菌の分離培養を実施する予定であった。しかしながら、予想していたよりもくも膜下出血患者からの検体収集に時間が必要であった。初年度で必要な検体数を集めることができたものの、当初の計画よりは遅れていると判断している。また、検体収集と並行して脳動脈瘤モデルの作成を実施しており、後のFMT実験に向けた実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は検体収集に多くの時間を要していたが、その数は十分量に到達していると判断している。MWAS解析は部分的に実施しており、残る検体の解析を次年度で実施する予定である。解析結果については本学遺伝統計学教室との協力により、くも膜下出血、未破裂脳動脈瘤での比較を行い、予定通り動脈瘤破裂に関係する細菌種を同定できると考えている。また、並行して脳動脈瘤モデルマウスの作成についても実験を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
初年度では検体の収集に時間が必要であり、MWAS解析は行えたものの、予定よりも少数での解析となった。当初は全検体の解析を行い、また、細菌培養等も行っていく予定であったが、実際は限られた検体の解析のみしかできなかったため、計画していたよりも助成金の使用が少なくなった。その結果、次年度使用額が生じているが、残る検体の解析で相応の費用が必要となると考えており、次年度で使用する予定である。
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