2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K09072
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 僚太 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50889920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 元 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80533794)
高垣 匡寿 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70724433)
竹中 朋文 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60869527)
井筒 伸之 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20834170) [Withdrawn]
川端 修平 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (20764062)
松井 雄一 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10764061)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究室ではこれまでに多施設共同前向き研究を行い、「くも膜下出血直後」と「安定した未破裂脳動脈瘤」の患者の腸内細菌叢を16S rRNAを用いて比較してきた。結果として脳動脈瘤破裂に関わる有力な細菌を発見したため、これを論文化して報告した(Stroke, (2022), 895-903, 29(2))。本研究ではこの結果をさらに臨床応用へと近づけるため、メタゲノムショットガンシークエンスを用いて細菌種の同定を行い、責任最近種の分離培養を行うこと、それらの動物への移植実験により作用機序を解明することを目的としている。 本研究の1年目はヒト便検体収集方法の確立と収集に費やし、一部の検体についてはメタゲノムショットガンシークエンス解析を行った。 2年目となる今年度は、さらに複数の施設から収集されたヒト便検体について、追加のメタゲノムショットガンシークエンスを遺伝統計学教室と共同で行ない、腸内細菌叢の比較について初回の解析と再現性を持った結果が得られるかの検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度はさらに未破裂脳動脈瘤患者、くも膜下出血患者の便検体回収を進めた。そのうち新たに48検体についてメタゲノムショットガンシークエンスを用いた菌叢解析を行った所、既に解析済みであった67検体のデータと比較して再現性のある結果が得られた。また未破裂脳動脈瘤患者の便検体については追加で16S rRNA解析も行い、未破裂脳動脈瘤の自然歴や治療後の経過に与える腸内細菌叢の影響について様々な観点から検討を行っている。 マウスを用いた基礎実験においては、脳動脈瘤誘発モデルマウスの作成に難渋し、結果的に困難と判断したため、現在視交叉前槽に血液を注入しくも膜下出血を起こすモデル作成に変更とした。同モデルは当教室においてラットで用いられてきたものであり、腸内細菌叢との関連について述べた実験についても既に論文報告済である(Translational Stroke Research, (2022))。
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Strategy for Future Research Activity |
メタゲノムショットガンシークエンスで得られた結果に加え、同患者のSNPデータや患者背景に関するデータを加えた解析を追加し、論文報告を行う予定である。くも膜下出血患者を対象とした便検体回収については一定数が得られたため終了し、治療適応のある未破裂脳動脈瘤患者を対象とした便検体回収を継続して、新たな観点から脳動脈瘤との関連が考えられる腸内細菌叢について検討していく予定である。 またマウスを用いた基礎実験については、くも膜下出血モデルの作成が安定したため、これらの腸内細菌叢を予め変化させる実験へと進めていく。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも実験が進んでおらず、それに伴い使用した動物数や実験に必要な物品数が想定よりも少なくなったため、予算が使用しきれなかった。 次年度では、昨年度行えなかった動物実験を行っていく予定であり、使用動物が増加すると予想している。また、昨年度行っていたモデル作成実験のみならず、腸内細菌叢を変化させる実験も行う予定であり、必要物品も増加すると考えている。 そのため、次年度繰り越し金は動物、物品購入に充てる予定である。
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