2023 Fiscal Year Research-status Report
インビボ神経イメージングによる敗血症関連脳症に関与する大脳神経回路同定と治療戦略
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21K09077
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中原 真由美 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (90707514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新山 修平 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 准教授 (40258455)
奥野 浩行 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80272417)
城山 優治 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90456195)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 敗血症 / 敗血症性脳症 / 神経イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症は、重症化すると生命を脅かす多臓器障害を引き起こし、全世界的に死因の1/4を占めるとも言われている。 敗血症関連脳症は、合併すると予後を有意に悪化させると報告されており、回復後の認知機能障害などの後遺症が問題となっている。敗血症関連脳症の詳細な病態生理や責任神経回路については不明であり、明確な治療法は存在しない。本研究の目的は、1:敗血症関連脳症のモデルマウスを用いて、認知脳機能障害の評価を行い、in vivoイメージング法を用いて責任神経回路を明らかにする。2:敗血症関連脳症に対する麻酔薬や睡眠薬の治療効果を分析し、治療薬の量や時期の検討を行うことにより臨床応用可能な治療戦略を追求することである。 敗血症発症前に恐怖条件づけ課題を学習させたマウスに対して、LPS(Lipopolysaccharide)投与による敗血症誘発後に記憶想起テストを行うことにより敗血症関連脳症の評価を行った。恐怖条件付けのトレーニング直後にLPSを投与し重度の敗血症を経験したマウスでは、回復後(投与後4日)の恐怖記憶想起テストでFreezingが低下した。LPS投与4日時点での脳神経活動を、神経活動依存的蛍光タンパク発現マウス(Arc-Venus)を用いて解析した。その結果、前頭葉において特異性の高い神経活動が観察された。その意義について今後検証予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床業務の比重が多くなり、基礎研究に携わることができる十分な時間が取れなかったことと、恐怖条件付け課題以外の行動実験の検証に時間を要しているため
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、敗血症関連脳症に関連する脳部位候補の検討のために免疫染色や、超小型エンドスコープ型蛍光顕微鏡を用いた細胞内カルシウム応答測定を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
モデル作成や行動実験の検証に遅れが生じ、消耗品等購入が減った為。 次年度はマウスの購入、行動実験器具の再整備費用、免疫染色の試薬費用として用いる。
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