2023 Fiscal Year Research-status Report
コンピューター数値流体力学解析および動的造影MRIによる脳動脈瘤の壁性状の検討
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21K09097
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三浦 洋一 三重大学, 医学部附属病院, リサーチアソシエイト (10420390)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤 / コンピューター数値流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳動脈瘤の壁性状を開頭術により脳動脈瘤を切除摘出し組織学的に評価することは多くの症例で困難である.そこで,脳動脈瘤の壁性状の評価を一般化するために,脳動脈瘤開頭クリッピング術において,術中に観察された脳動脈瘤壁の色調の定量化について検討し報告した(Brain Hemorrhages 2022; 3:57-61).また,脳動脈瘤に対するコンピューター数値流体力学については,解析症例を蓄積してきており,flow diverter留置後の動脈瘤内の血栓形成と血行力学的パラメーターについて報告し(Brain Hemorrhages 2023; 4:39-43),血管内治療後の動脈瘤閉塞の病態を検討している.また、動脈瘤壁の壁性状と血行力学的パラメーターとの関連についての検討を行っており,開頭クリッピング術前に,術中観察されると想定される動脈瘤壁の色調の予測可能か報告した(脳卒中の外科 2023; 51:405-410).加えて,動脈瘤の増大に関連する血行力学的パラメーターについて検討を行い,報告した(J Neurosurg 2023; 30:1-6).引き続き,動脈瘤の発生,増大,破裂のメカニズムの検討および脳動脈瘤コイル塞栓術における再発についてもコンピューター数値流体力学を用い検討を行っていく.併せて,MRIでの脳動脈瘤壁性状の評価については,撮像のタイミングや撮像シークエンスの最適化について検討を行なっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動脈瘤壁性状の定量化およびコンピューター数値流体力学の方法の標準化については,症例を重ねつつ確立しつつある.さらに,開頭クリッピング術中に観察される動脈瘤の壁性状、および経過観察された脳動脈瘤の経過観察中の増大がコンピューター数値流体力学における血行力学的パラメーターにより予測が可能か検討を行ってきた。解析症例も蓄積されてきており,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
コンピューター数値流体力学における血行力学的パラメーターと,脳動脈瘤の壁性状および動脈瘤の発生・増大を含めた動脈瘤の病態との関連について,引き続き検討を行っていく.さらに動脈瘤壁の色調の定量化と血行力学的パラメーターとの関連についての検討を行なって行く予定である.造影MRIについては,撮像のタイミングや最適シークエンスの検討を行い,症例を蓄積し,開頭術にて脳動脈瘤壁の組織の採取が可能となった症例があれば,組織学的な検討を上記に併せて行なっていく予定である.
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Causes of Carryover |
研究としては概ね順調に進展していると考えるが、開頭クリッピング術中に観察される動脈瘤の壁性状の術前予測の登録症例や動脈瘤壁のMRIでの評価についての症例の蓄積など、当初計画よりも進んでいない研究課題が一部にあり、これらの研究成果の発表・報告が今年度にできておらず、今年度内に完了し得ない部分があり、次年度使用額が生じた。引き続き、これら研究課題についても症例の蓄積および検討を行っており、次年度となりますが報告・発表のため、使用する。
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