2021 Fiscal Year Research-status Report
麻酔薬による脳虚血患者周術期の血液脳関門の機能変化の解明と治療応用
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21K09102
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
賀耒 泰之 熊本大学, 病院, 助教 (20626882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岳元 裕臣 熊本大学, 病院, 医員 (50883021)
植川 顕 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (40448535)
大森 雄樹 熊本大学, 病院, 助教 (60599116)
武笠 晃丈 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (90463869)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳虚血 / もやもや病 / 麻酔 / 血液脳関門 |
Outline of Annual Research Achievements |
①臨床データを集積し後方視的に検討した。2013-2022年の期間に当院で脳血管バイパス術を行った成人もやもや病59例78半球を対象とし、吸入麻酔(I)群と静脈麻酔(T)群の2群に分け、患者背景、術中の循環パラメータ、術後の症候性過灌流(HP)、脳梗塞、一過性神経脱落症状TNEs、MRI-FLAIRでのcortical hyperintensity belt (CHB) sign score (0-4の5段階) を比較検討した。結果、I群35側、T群43側で、術後のHPや脳梗塞の頻度は2群間で違いはなかったが、TNEsはI群5/35(14.3%), T群16/43(37.2%)で、I群で有意に少なかった(p<0.05)。血液脳関門BBBの破綻と関係していると推測される術後のCHB sign scoreの中央値はI群2[1-3], T群4[2-4]で、有意にI群で低値であった。以上の結果から、吸入麻酔薬はバイパス術後の脳循環動態の劇的な変化に対して保護的に作用している可能性が考えられた。また、もやもや病感受性遺伝子RNF213変異は14/20例(70%)に認めた。RNF213とBBB破綻の相関についてはさらなるデータの集積が必要である。 ②検証実験。ラット一過性脳虚血モデルを作成し実験を継続している。吸入麻酔での検証は行えているが、静脈麻酔を用いた実験は行えていない。また、リアルタイムのBBB破綻の観察はできていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍であったため検証実験の分野でやや遅れているが、実験環境が整備され、遅れている分を取り戻すことは可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
①臨床データを集積、②検証実験を行うこととなるが、現在の体制での不備はなく研究を継続する
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Causes of Carryover |
購入予定であった高額の備品を購入していないため。備品の購入は行う予定。
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Research Products
(2 results)