2022 Fiscal Year Research-status Report
片麻痺モデルへの神経細胞シート移植とリーリン/エフリン経路の臨床応用の可能性
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21K09115
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 登 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40235982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 潤 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (30509964)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / 神経細胞移植 / 片麻痺 / リーリン / エフリン |
Outline of Annual Research Achievements |
神経幹細胞はReelin経路を介して片麻痺マウスの神経細胞への分化とその後の神経回路の再構築をもたらす可能性が高い。実際、ヒトiPS細胞由来の神経幹細胞移植ではReelinを産生し、宿主と移植細胞に作用してより下流 のDab1とAktをリン酸化し、さらにEphrinB/EphBを活性化してシナプス形成をもたらすと推定されている。本年度は移植NSPCsが片麻痺モデルでの解剖学的・機能的な 再生する際の神経回路再構築及び、宿主神経組織との高次構造形成時におけるReelinからEphrinに至るまでのシグナル経路を介した細胞分化・成熟による回復機構を神経病理学的に詳細に解析し、その再現性を評価した。 ヒトiPS細胞由来の移植神経細胞が損傷部皮質で実際にReelinを産生しており、そこでは移植神経細胞と近隣の宿主神経細胞はDab1リン酸化、引き続くAktのリン酸化を誘導した。この経路はさらにCREBを活性型してその核内移行をもたらした。これらの成績はヒトiPS細胞由来の神経細胞移植での神経ネットワークの再構築においてリン酸化Dab1を介する細胞内シグナル伝達が重要なことを示している。現在はリン酸化Dab1 がEphrinB/EphBを活性化する分子機構を片麻痺マウスへの神経細胞移植モデルを用いて解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体マウスを用いた移植前後の運動機能試験を行い、神経幹細胞移植により運動機能回復が認められることを再確認して、必要な大脳のサンプルを十分量確保した。 今後は、免疫染色を主体に実験を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
神経幹細胞移植を行い、運動機能の回復を確認したマウスの大脳のサンプルは十分量を確保したため、次年度使用が生じた。 今後は免疫染色を行い、我々の仮設の正当性を確認する。 それらの確認後に、in vitroの神経幹細胞の培養システムを応用してFezt陽性の運動神経においても、Reelin刺激のカスケードがその成熟分化に重要なことを示したい。 一部の実験系では、Reelin経路の阻害薬を用いて、我々の仮設の評価を行う。
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Causes of Carryover |
移植実験を先に進めるために、免疫染色に用いる抗体の購入額がやや減少した。 次年度は各種の抗体や、培養実験に用いるリコンビナントReelinや成長因子など試薬購入費が増えることが予想される。
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