2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of glioblastoma model by in vivo genome editing
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21K09123
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
原 明 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10242728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 弘之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50509510)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
生存率が1年未満の小児脳幹グリオーマ (膠芽腫)は、生命中枢である「脳幹部」に発生し、「びまん性」(境界不明瞭)浸潤という性質から、生存中の生検や手術がほぼ不可能である。そのため、腫瘍の発生・増殖・浸潤へと続く動的なメカニズムの解明、そこから発展するべき新規バイオマーカーや治療の開発はほとんど進んでいない。本研究は遺伝性疾患の新規治療法として開発された “生体内”ゲノム編集技術を応用して、腫瘍発生・増殖・浸潤の全過程を再現しうるマウスモデルを作製し、「びまん性」、「脳幹部」など本腫瘍の特性を明らかとすることを目的とした。IG27細胞を移植したマウス脳組織の病理組織学的解析によりPSを伴うびまん性グリオーマのマウスモデル作成に成功した。免疫不全マウスへの生着率は46例中46例(100%)、全例でPSの再現を得た。腫瘍細胞と神経細胞の接着をより詳細に検証するために、電子顕微鏡を用いて観察したところ、グリオーマの神経周囲浸潤を初めて3次元で撮影することに成功した。次にIG27細胞の性質について、in vitro実験で検証した。IG27とマウス神経初代細胞の共培養を行いタイムラプス連続撮影を実施したところ、IG27細胞は野生型細胞と比較して神経細胞と接しつつ周囲を活発に移動し、神経細胞の周囲で増殖することを認めた。続いてIG27細胞のPSの原因となる遺伝子変動を特定するため、マイクロアレイで網羅的遺伝子解析を行った。IG27細胞では野生型細胞と比較して腫瘍幹細胞で認める遺伝子群の上昇および解糖系代謝に関わる遺伝子群の上昇を認めた。この結果よりIG27細胞内の解糖系代謝に注目し、116の標的代謝物をメタボローム解析で定量化したところ、解糖系代謝産物の上昇を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すくなくとも一つのマウスモデルの創出が行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たにできた脳腫瘍モデルの腫瘍をさらにシングルセル解析などを行い、その性質を明らかとし、治療候補を探索していく。
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