2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of glioblastoma model by in vivo genome editing
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21K09123
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
原 明 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10242728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 弘之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50509510)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グリオーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
生存率が1年未満の小児脳幹グリオーマ (膠芽腫)は、生命中枢である「脳幹部」に発生し、「びまん性」(境界不明瞭)浸潤という性質から、生存中の生検や手術がほぼ不可能である。そのため、腫瘍の発生・増殖・浸潤へと続く動的なメカニズムの解明、そこから発展するべき新規バイオマーカーや治療の開発はほとんど進んでいない。本研究は遺伝性疾患の新規治療法として開発された "生体内"ゲノム編集技術を応用して、腫瘍発生・増殖・浸潤の全過程を再現しうるマウスモデルを作製し、「びまん性」、「脳幹部」など本腫瘍の特性を明らかとすることを目的とした。前々年度、前年度は、H3K27M変異グリオーマの解析を行ったが、論文として出版できたので、つぎの目的として、ヒストンH3と同じ遺伝子の変異であるが、34番目のアミノ酸の変異があるH3G34R変異細胞を移植したマウス脳組織の病理組織学的解析を行った。そして、神経周囲浸潤(PS)など多彩な組織像を伴うグリオーマのマウスモデル作成に成功した。免疫不全マウスへの生着率は15例中12例(80%)、しかし、PSは半数程度の症例に限られた。次にH3G34R変異細胞の性質について、in vitro実験で検証した。H3G34R変異細胞とマウス神経初代細胞の共培養を行いタイムラプス連続撮影を実施したところ、H3G34R変異細胞は野生型細胞と比較して神経細胞と接しつつ周囲を活発に移動し、神経細胞の周囲で増殖することを認めた。続いてH3G34R変異細胞のPSの原因となる遺伝子変動を特定するため、マイクロアレイで網羅的遺伝子解析を行った。H3G34R変異細胞では野生型細胞と比較して腫瘍幹細胞で認める遺伝子群の上昇および解糖系代謝に関わる遺伝子群の上昇を認めた。
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