2021 Fiscal Year Research-status Report
骨髄幹細胞治療における機能活性モニタリングと機能予後バイオマーカーの開発
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21K09131
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
中村 秀之 札幌医科大学, 医学部, 特任講師 (10799125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20538136) [Withdrawn]
佐々木 優子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80631142)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007) [Withdrawn]
鵜飼 亮 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30896113)
横山 貴裕 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60896116)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨髄幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、脳梗塞に対する骨髄間葉系幹細胞(Mesenchymal stemcells:MSC)の経静脈的投与(MSC治療)による良好な治療効果を報告してきた。我々のこれまでの基礎研究において、ラット脳梗塞モデルを用いた実験を行い、MSC治療後の血漿中BDNFは、投与されたMSCの機能的バイオマーカーとなりうる可能性があることを報告した (Nakamura et al., 2017) 本研究では、血漿中BDNFの推移が、機能活性の指標に留まらず、脳梗塞の機能予後と相関するのかどうかを検証することを計画しており、さらに、機能活性や機能予後を示す新しいバイオマーカーを探索することを目的としている。これまでに、①医師主導治験患者の血漿中BDNF測定、および、②ラットMCAOモデルにMSCを投与し、血漿中BDNFと機能予後の相関を検討することで、MSC治療における機能活性モニタリングによる機能予後バイオマーカーの開発を行っている。①では、札幌医科大学附属病院に入院した患者から、経時的に採血を行い、血漿を分離し、ELISA法にてBDNFを測定し、ELIZA法によるBDNFの測定は、BDNF E-max immunoassay system (Promega) を用いる。②では、ラット脳梗塞モデルとして、中大脳動脈永久閉塞(MCAO)モデルを用いる。MCAOモデルは、Intraluminal thread methodを用いて作製し、脳梗塞発症6時間後にラットMSCを経静脈的に投与し、末梢血を採取し、保存血から血漿を分離し、①同様にELISA法にてBDNFを測定する。観察期間中、並行して、トレッドミルによってラットの最大走行速度を測定し、運動機能および動物用MRIを用いて脳梗塞の体積を経時的に評価する。観察期間終了時に、血漿中BDNFと運動機能から機能予後解析を継続して行うこととしている。以上のように、補助金は適切に使用し、予定通り進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット脳梗塞モデルを作製し、血漿中BDNFのモニタリングが、MSC治療における予後予測のバイオマーカーとなりうるかを検討しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、血漿中BDNFのモニタリングが、MSC治療における予後予測のバイオマーカーとなりうるかを検討すること、および、新しい予後予測バイオマーカーを探索することであり、以下の実験を継続して推進する予定である。 ①医師主導治験患者の血漿中BDNF測定: ②ラットMCAOモデルにMSCを投与し、血漿中BDNFと機能予後の相関を検討:
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、実験動物の購入と実験施設の使用が制限されたため、予定使用額より減額となった。しかし、少数の実験動物ながら、これまでに良好な結果を得られ始めており、次年度は、精力的に実験を進めていきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)