2021 Fiscal Year Research-status Report
Novel tumor suppression system targeting microglia, considering glioma/microglia correlation
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21K09133
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
井上 浩一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (80345818)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グリオーマ / SGK1 / ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトのグリオーマのSGK阻害剤に対する反応を調べるため、ヒトグリオーマ細胞株T98GにSGK阻害剤gsk650394を投与したところ、阻害剤濃度の上昇と共に増殖は抑制されたが、50%抑制量(IC50)は100uM以上であった。また、別のヒトグリオーマ細胞株F98を用いて同様の実験を行った場合はIC50は約10uMであった。いずれの細胞も、SGKの阻害剤開発を報告した論文で用いられた前立腺癌細胞株(~1uM, Sherk et al 2008 Cancer Res)の場合に比較して大きく右にシフトしている。しかしながら、細胞種によってはIC50が100uM以上の細胞(HCT cells, Liang et al 2017 J Cancer)などもあり、問題は内と考えられる。さらに、T98G細胞では、gsk650394は細胞増殖に影響を与えない濃度(10uM)で細胞移動を抑制した。これらのことから、SGK1の阻害はグリオーマの細胞増殖や移動能を抑制することが示唆された。続いて、ミクログリアのグリオーマに与える影響を検討するため、本申請課題でグリオーマ/ミクログリア間をつなぐ標的因子として注目しているIL-4の発現の検討を試みた。当教室で通常用いているミクログリア細胞株BV-2を用いたところ、定量的PCRでIL-4の発現が確認できなかった。LPS投与においてもIL-4の発現は確認できず、現在実験に用いるプライマーの変更あるいはELISAなど別の実験方法の検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミクログリア及びそれが放出するIL-4の影響は確認できていないが、グリオーマのSGK阻害剤への感受性が示され、グリオーマ自身のSGKの重要性が指摘できた。
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Strategy for Future Research Activity |
グリオーマ自身のSGKの重要性を確認できたので、今後はミクログリアのSGK活性がグリオーマの増殖・移動に与える影響を見出し、全体としてSGK阻害が相乗効果的にグリオーマの活性を抑制するか検証する。
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Causes of Carryover |
昨年度の研究費確定以降に、民間の助成金を得たため、経費の節約につながった。今年度は元来の研究計画に加え、2023年度からの開始を予定していた生体マウスを用いた実験も一部可能なら予備実験を行いたい。
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Research Products
(3 results)