2023 Fiscal Year Annual Research Report
SOCS由来ペプチドと血液脳関門透過性増強による脂肪由来幹細胞を用いた再生医療
Project/Area Number |
21K09134
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
菅野 洋 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (40244496)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 英俊 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40398524)
中原 公宏 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学熱海病院, 准教授 (80279207)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 脂肪由来間葉性幹細胞 / SOCS / 脳血液関門 / 神経分化誘導 / 神経再生医療 / VHL / 神経分化ドメイン / BC-box motif |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究代表者は、神経分化誘導能を持つVHLを遺伝子導入して強発現させるか、VHL由来のペプチドを直接導入して、幹細胞を神経細胞へ分化誘導したのち、局所投与(移植)することで、明瞭な神経再生効果が得られることを報告してきた。間葉系幹細胞を用いた脳梗塞や脊髄損傷患者に対する治療の大部分は、骨髄間質細胞や脂肪由来間葉系幹細胞をそのまま静脈内投与して行われているが、これでは、脳血液関門(BBB)を超えての脳や脊髄内への細胞の移動(migration)率は低く、細胞の生着率も低いため、ごくわずかな症状の改善を見るにすぎない。これらの点を克服するため、細胞のBBB透過性を高める因子としてSDF-1とCCR4が同定されて、これらの因子を活性化する物質であるtetramethylpyrazine(TMP)を骨髄由来幹細胞と同時に投与すると、骨髄由来幹細胞が脳梗塞モデルの脳内の病巣へ集積し、症状の改善を示したという報告がされている。また、CCR2を過剰発現させるとBBBを超えての移動率が高まり、脳梗塞モデルの症状が改善したという報告もなされている。このため、本研究ではBC-box motifペプチドをADMSCsへ導入後にADMSCsを静脈内あるいは髄腔内へ投与することにより、神経疾患の症状が改善するかを、明らかにすることを目的とすると同時に、ADMSCsのBBB透過性増強処理も併用した場合、さらに効果があるかを検討した。これと共に、本研究では、SOCS7由来BC-box peptideを脂肪由来間葉系幹細胞ADMSCへ導入して、コリン作動性ニューロンを誘導することができたので、論文で報告した。
|