2023 Fiscal Year Annual Research Report
アイトラッキングによるカテーテル術者の目線解析と訓練に役立つ目線パターンの解明
Project/Area Number |
21K09135
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
庄島 正明 帝京大学, 医学部, 教授 (80376425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 聡 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10733917)
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20400418)
岡本 吉弘 国立医薬品食品衛生研究所, 医療機器部, 室長 (40776027)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アイトラッキング / カテーテル治療 / 脳血管内治療 / 血管モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
私達は、関心を持っている領域、注意が必要と判断した領域に目線を向ける。脳血管内治療を実施する術者の目線を解析すれば、治療の安全性を向上させうる治験を取得できるのではないかと考え、本研究を開始した。2021年から2023年の3年間で、30件の実際の治療中の目線を記録しようと考えていた。また、血管モデルを用いてカテーテル手技を実施する術者の目線を記録する事で、実際の術者を担当するレベルには到達していない初心者の目線を30名より取得しようと考えていた。 研究期間中に39件の脳血管内治療中の目線を取得した(脳動脈瘤に対するコイル塞栓術 15件、フローダイバーター留置術 15件、液体塞栓物質を用いた治療 4件、閉塞性脳血管障害に対する治療 5件)。また、5件の脳血管造影検査中の目線を取得した。血管モデルを用いた初心者からの目線データ取得は、3名から取得した。これは、リアルな操作感を再現する血管モデルの製作に研究期間の大半が必要となったためである。 解析を行うと、手技に応じて、目線パターンが変化することがわかった。目線パラメーターの一つである固視時間を比較すると、フローダイバーター留置術で短く、コイル塞栓術で長い傾向が見られた。コイル塞栓術は様々な経験値を有する術者から視線を取得出来ていたが、術者の経験と固視時間は逆相関する傾向がみられた。 従来より経験値に応じて目線パラメーターが変化することは知られていたが、手技に応じて変わる事も明らかになった。手技の難易度を反映しているのではないかと推測した。また、本研究の成果として、多数の症例を記録した術者目線データベースを作成できたのに加えて、様々な技術レベルを有する医師から目線データを取得する為のリアリスティックな血管モデルを作製でき、今後、カテーテル治療を実施する術者の注意配分について知見を深めることができる土台を作ることができた。
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