2021 Fiscal Year Research-status Report
脳虚血および虚血耐性現象におけるインターフェロン制御因子ファミリーの役割の解明
Project/Area Number |
21K09146
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
舘岡 達 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (40824595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 秀幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (20402076)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 虚血耐性 / ミクログリア / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
非致死的虚血 (ischemic preconditioning: IPC) により惹起される虚血耐性は強力な脳保護効果を発揮する。近年、耐性獲得にはアストロサイトの活性化に伴う耐性誘導機構が重要な役割を担うことが明らかとなったが、本現象におけるミクログリアの役割は解明されていない。今回、colony stimulating factor-1受容体拮抗薬(PLX)によるミクログリアの一過性除去がアストロサイトの活性化と耐性獲得に及ぼす効果を解析し、本現象でのミクログリアの役割を検討している。 マウス一過性中大脳動脈閉塞モデルを用い、15分虚血をIPC、50分虚血を致死的脳虚血とした。虚血耐性モデルではIPC7日後に致死的虚血を負荷した。PLXは、IPC前7日間、餌に混入し投与し、その後通常餌に切り替えた。梗塞体積は致死的虚血24時間後にTTC染色で計測し、致死的虚血群、虚血耐性群、虚血耐性+PLX群で比較した。 PLXによりIPC前にはミクログリアは消去されたが、致死的虚血前には非投与と同程度に復した。虚血耐性群では致死的虚血群に比較し梗塞体積が有意に縮小したが(P<0.05, n=10, 致死的虚血 86.5mm3、虚血耐性37.9mm3)、この保護効果はPLX投与により消失した(P<0.05, n=7, 63.5mm3)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
虚血耐性現象の獲得にミクログリアが必要なことをTTC染色において証明できた。アストロサイトの形質変化に関連する研究を行っており、こちらもデータが揃いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫染色によりアストロサイトの極性変化を証明し、虚血耐性現象に及ぼす効果を検討する。その後、可能であれば網羅的遺伝子解析を実施まで行う。 その後、虚血後のミクログリアの極性変化を免疫染色により確認し、IRF投与に同様の極性制御が再現可能か検討する。
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Causes of Carryover |
RNA sequenceの解析に伴う支払が年度を跨いだため、差分が生じた。 翌年度の支出に差分が上乗せされるため、こちらに用いる予定である。
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Research Products
(2 results)