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2022 Fiscal Year Research-status Report

悪性神経膠腫・悪性髄膜種において新規分子標的となる転写キメラの同定とその機能解析

Research Project

Project/Area Number 21K09165
Research InstitutionOsaka Medical and Pharmaceutical University

Principal Investigator

野々口 直助  大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70388263)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 川端 信司  大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (20340549)
池田 直廉  大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤講師 (50434775)
古瀬 元雅  大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (70340560)
宮武 伸一  大阪医科薬科大学, 医学部, 特別職務担当教員(教授) (90209916)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
KeywordsキメラRNA / 転写キメラ / 悪性神経膠腫 / 悪性髄膜腫
Outline of Annual Research Achievements

2つ以上の遺伝子に由来する融合転写産物 (以下、キメラRNA)の中には、腫瘍の染色体異常によって形成された融合遺伝子にコードされる病的な転写産物だけでなく、「トランス・スプライシング」や「ポリメラーゼ・リードスルー」といった転写過程を経て生成される「転写キメラ」も存在し、遺伝子再編成を伴わない後者は、正常細胞においても発現しうるキメラRNAである。近年、これらの「転写キメラ」が正常の幹細胞の分化制御やがん化にも関与している可能性が報告されているが(Elfman J,et al. Stem Cell International. 2018)、脳腫瘍に関する転写キメラの生物学的意義は不明である。
正常細胞においても発現しうる「転写キメラ」(=遺伝子再編成を伴わないキメラ転写産物)の発現異常が、悪性グリオーマや悪性髄膜種の悪性形質(増殖能・浸潤能・血管新生能)の獲得や、これらの腫瘍が内包する腫瘍幹細胞の維持に関与しているのではないか?、との問いが、本研究を通して証明を試みる研究仮説である。
これまでのところ、悪性グリオーマや悪性髄膜種の発生あるいは悪性転化に関与する「転写キメラ」の存在を証明した先行研究は存在せず、脳腫瘍特異的に発現する「転写キメラ」とその病的意義の探索は学術的独自性と独創性を有する未開拓な研究分野と言える。本研究によって悪性脳腫瘍特異的に高発現する「転写キメラ」を発見できれば、「疾患バイオマーカー」としての活用が期待でき、さらにそれらの「転写キメラ」の悪性形質獲得への機能的な関与が証明できれば、新たな治療標的分子として創薬等の新規治療法開発に活用できる可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

RNAシーケンスのread dataを用いて悪性グリオーマならびに悪性髄膜腫を対象にキメラ転写産物の網羅的探索を行い、これらのキメラRNAのうち細胞を低酸素環境に曝露させた際に発現レベルに有意変動が見られたrecurrent chimeric RNAを抽出した。それらの中で我々はBPTF (Bromodomain PHD Finger Transcription Factor)と遺伝子Xとで構成されるキメラRNA (以下BPTF + gene X_chiRNA)に注目し研究を進めている。BPTF + gene X_chiRNAはアミノ酸配列解析を行なった結果、DNA-binding domainとzinc finger motifを有することが判明し、何らかの転写調節作用を有していることが示唆された。そこでBPTF + gene X_chiRNAに特異的なsiRNAを作成して、ヒトグリオーマ細胞株を用いてノックダウン(KD)実験を行なったところ、対照群(Cells transfected with scramble siRNA)と比べてKD群ではNPW, MRAS, cMYCの発現が有意に低く、かつ細胞の増殖能およびコロニー形成能が有意に低下することが判明した。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究結果より我々は、BPTF + gene X_chiRNAがc-MYCの転写活性の調節因子として働いているのではないかとの仮説を立てた。具体的にはBPTF + gene X_chiRNAが、c-MYCのクロマチン・ヒストンマークへのアクセシビリティを向上させ標的遺伝子への結合性が上昇するのではないかと考え、この仮説を証明すべく実験を継続中である

Causes of Carryover

研究消耗品の購入(物品費)が必要な実験のうち、試薬の有効期限が短かいもの一部を次年度に購入することにしたため、当該助成金が生じた。これらのは4月から8月にかけて実施する実験において購入・使用する予定である。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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