2022 Fiscal Year Research-status Report
ウルトラファインバブルによる膠芽腫の抗EGFR抗体/shRNA治療の開発研究
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21K09168
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
貴田 浩志 福岡大学, 医学部, 講師 (80529454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 克郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40271605)
安部 洋 福岡大学, 医学部, 教授 (90368986)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウルトラファインバブル / 遺伝子治療 / 膠芽腫 / 抗体-遺伝子結合ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、本年度はウルトラファインバブル(UFB; 直径1μm未満の超微細気泡)の超音波応答性に関する更なる研究を行った。一般的には超音波による気泡の共鳴現象では、計算上、気泡の直径は超音波の周波数に反比例するため、直径1μm未満のUFBを崩壊させるには非常に高周波数な超音波が必要となると予想された。しかし、予想に反して、40kHzの低周波数超音波の短時間照射でUFBの崩壊は容易に引き起こされることが明らかになった。実際にUFBと40kHz超音波の組み合わせにより、細胞株へのmRNA送達が可能であること、膠芽腫細胞株(U87 MG)に対し、レポーター遺伝子の送達が可能であることが明らかになった。 また、前年度に副次的に得られた成果である、抗体、ペプチドとプラスミドDNAのバブル化しない複合体による、悪性腫瘍細胞への選択的な遺伝子送達法を用いて、抗腫瘍効果の確認を行った。悪性腫瘍細胞では上皮成長因子受容体(EGFR)が過剰発現し、その下流のPI3K/Akt/mTOR経路を活性化させて、細胞生存に働いていることが知られている。EGFRを過剰発現する悪性腫瘍細胞株(HSC-2)に対し、バブル化しないペプチドキャリアに抗EGFR抗体とAkt1阻害shRNAプラスミドを搭載して投与することで、相乗的に抗腫瘍効果が向上することが明らかになった。さらにナノ粒子のエンドソームによる消化を避けて、細胞質内への放出を助けるエンドソーム脱出シグナル、細胞核への送達を担う核移行シグナルの付与により遺伝子送達効率が向上することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、UFBの物理的性質の解明、膠芽腫細胞株を用いた遺伝子送達、抗体-遺伝子併用療法の予備実験を優先して行った結果、予定した腫瘍移植モデル動物の確立と、それを用いた治療実験の開始には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、腫瘍移植モデル動物の確立と、それを用いた治療実験を予定している。具体的には膠芽腫細胞株(U87 MG)をヌードモデルマウスに移植し、膠芽腫モデルマウスを確立する。EGFR抗体とAkt1阻害shRNAを搭載したUFBを尾静脈投与し、腫瘍への集積効果を超音波診断装置により確認する。さらに低周波数超音波の照射によって、UFBを崩壊させ、抗腫瘍効果の向上を確認する。
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Causes of Carryover |
細胞実験による費用が必要であった一方で、動物実験の開始が遅れたことで、若干の次年度使用額が生じた。次年度で実施する動物実験に使用する予定である。
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