2023 Fiscal Year Annual Research Report
膠芽腫の遊走能亢進における細胞質内インポーティンα1関連ダイナミクスの解明
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21K09172
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山内 貴寛 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (50598670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅巳 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (10322851)
藤田 聡 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (60504652)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インポーティンα1 / CADM1 / Glioblastoma |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は昨年度までの実験結果から、膠芽腫U87およびU251におけるインポーティンα1のノックアウトによる細胞遊走の抑制に、細胞接着因子が関与している可能性が考えられた。インテグリンβ1およびCADM1の関与を考え、qRT-PCRにてU87およびU251におけるインテグリンβ1およびCADM1の発現定量を行った。結果、U87ではCADM1において有意な亢進がみられたが(p=0.004)、U251では有意な差はみられなかった。インテグリンβ1ではともに有意差はみられなかった。 6週齢のメスのヌードマウスへの細胞移植実験では、皮下増殖モデルにおいて、U87では大きさに差がみられるも有意差まではみられなかった。U251では皮下における十分な腫瘍の形成がみられなかった。それぞれの細胞群において、生存実験をおこなった。脳内移植モデルにおいて、U87ワイルドタイプおよびインポーティンα1ノックアウト細胞移植モデルにおいては、生存に明らかな差はみられなかった。一方U251細胞株においては、観察期間においてワイルドタイプでは有意差をもってインポーティンα1ノックアウト細胞移植群に対する生存延長が認められた(n=3 vs n=3、p<0.05)。 2021年度はインポーティンα1のノックアウトを確立させ、ウエスタンブロッティングにてノックアウトが確認された。2022年度にかけてノックアウト細胞を用いた細胞増殖実験をおこない、特にU251での有意な増殖の抑制が確認された。またWound healing assayでは同様にU251における遊走抑制が確認された。2023年度は原因因子として接着因子CADM1を同定し、in vivo実験ではU251ノックアウト細胞移植群での生存延長を認めた。
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