2023 Fiscal Year Research-status Report
良悪性中間群骨軟部腫瘍における免疫環境の解析と新規治療法の開発
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21K09197
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
生越 章 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (80323963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 寛之 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30361900)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 免疫細胞 / 骨巨細胞腫 / デスモイド腫瘍 / 再発 |
Outline of Annual Research Achievements |
手術を施行した骨巨細胞腫の50例の組織標本の解析を行った。①H3F3A G34W : 腫瘍細胞解析を重ねた結果 H3.3G34V抗体にしか反応品GCT藻あることがわかりこのような腫瘍にはこの抗体を使用することにした。 ②CD8: 細胞障害性T細胞③FOXP3: 制御性T細胞④CD163: M2 マクロファージを免疫組織化学法で評価し、腫瘍の細胞数、免疫細胞の浸潤数が再発に関係するかを検討した。200倍5視野を撮影し陽性細胞数をカウントを行い中央値で2群に分けた。Kaplan-Meier法を用いて生存分析を施行し、差の分析にはLog-rank検定を使用 P<0.05で有意差ありと判定した。結果再発は13例(26%)、転移2例(4%)H3F3A G34Wは45例 (90%)で陽性、H3.3G34V抗体が2例に陽性であった。中央値 412/HPF (1.4-1694.6)であった。両抗体の陽性細胞数とリンパ球の浸潤数との関連では、FOXP 3とCD163は腫瘍細胞と相関を認めたものの、CD8陽性リンパ球では相関は認めなかった。GCT特異的抗体の細胞数が多い、すなわち腫瘍数が多いものでは再発率が優位に高くなっていたことが新しい抗体を使用し他ものを加えて再確認できた。また、腫瘍あたりのCD8陽性細胞数が少ないもので再発率が高くなっていた。骨巨細胞腫におけるH3F3AG34Wの陽性率は約90%と報告されているが、本研究でも90%程度の患者で陽性でありと同等の結果であった。抗体を新たに加えることがその陽性率はさらに上昇した。本研究からは腫瘍細胞の密度が多いと再発のリスクとなり、CD8陽性細胞数が多いと予後良好なことが示され腫瘍免疫が再発に深く関係していること、巣縄と骨巨細胞腫にの予後には免疫細胞の関与が大きいことが示された
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨巨細胞腫の解析を行う中で免疫組織化学の条件設定に時間を要した。特に別の抗体で認識される腫様細胞があることがわかったため腫瘍の再評価を実施中である。現在までデスモイド腫瘍の免疫組織化学解析を行う準備をしている。骨巨細胞腫の培養細胞実験では 当初の予想に反して初代培養が不成功に終わる例が多く、培養液の変更やFBS濃度の設定についての変更を計画している
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Strategy for Future Research Activity |
現在までデスモイド腫瘍の免疫組織化学解析を行う準備をしている。新たな抗体を用いてより正確に骨巨細胞腫の腫様細胞の同定を行っている。骨巨細胞腫の培養細胞実験では 当初の予想に反して初代培養が不成功に終わる例が多く、培養液の変更やFBS濃度の設定についての変更を計画している。今後は中間群骨軟部腫瘍において免疫環境の解析を行い各種パラメーターCD3, CD4, CD8,CD10, CD20, CD45, CD56,CD138, CD163 FOXP3,陽性の免疫細胞の浸潤状態、免疫チェックポイント関連分子としてCD80/CD86-CTLA4, PD-L1,2-PD-1, ガレクチン9-TIMP3,α定量的PCRによる発現量の評価を行う。 特に近年注目されているマクロファージチェックポイント阻害に対してもCD47-SIRP系の免疫組織化学と定量PCRによる発現評価を行う。これらの解析結果と予後を比較し各種免疫チェックポイント阻害薬、マクロファージチェックポイント阻害薬の可能性について評価する。
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Causes of Carryover |
学会発表国際学会発表が出来ず 次年度に繰り越した
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