2022 Fiscal Year Research-status Report
骨軟部肉腫における腫瘍免疫状態の解明と新規免疫療法の開発
Project/Area Number |
21K09198
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三輪 真嗣 金沢大学, 医学系, 助教 (40753455)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 弘行 金沢大学, 医学系, 教授 (40227434)
武内 章彦 金沢大学, 附属病院, 助教 (70512218)
山本 憲男 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (90332668)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 骨軟部腫瘍 / 転移 / 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性腫瘍の治療において、腫瘍に放射線を照射したのちに照射野と別の部位の腫瘍縮小がみられることが稀にあり、これをアブスコパル効果という。また、放射線治療のみでなく、腫瘍凍結療法や液体窒素処理骨移植でもアブスコパル効果がみられることがある。本研究では、骨転移マウスモデルを用いて凍結アブレーション(cryoablation:以下CA)によるアブスコパル効果について調査した。CAの方法としては,注射器と径1.2 mmの銅線を用いて凍結プローベを作成し、装置内に液体窒素を注入することで銅線の先端から半径5 mmの範囲を冷却した。マウス乳癌細胞株MMT-060562(3 × 106細胞)をC3Hマウス32匹の両側脛骨に移植することにより骨転移モデルを作成した。左側の腫瘍はCA治療を行い、右側のアブスコパル腫瘍は未治療とした。また、薬物療法として半数のマウスに抗PD-1抗体(以下PD)の腹腔内投与を行った。対象となったマウスは、治療の有無によりcontrol群、CA群、PD群、CA+PD群の4グループに分類した。アブスコパル腫瘍のサイズ変化(7日目、14日目)、ELISPOTアッセイで腫瘍特異的IFN-γ産生脾細胞数(14日目)、アブスコパル腫瘍への免疫細胞浸潤(14日目)を評価した。結果として、CA治療によりアブスコパル腫瘍における縮小、ELISPOTアッセイでの免疫増強効果、CD4+細胞浸潤を認めたが、CD8+細胞、Foxp3+細胞の浸潤に有意な変化はみられなかった。さらに、CAにPDを併用することで有意な免疫増強効果を認めた。これらの結果から、転移性骨腫瘍の局所凍結療法によりアブスコパル効果が期待できること、PDの併用により増強効果が得られる可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を順調に遂行し、論文や学会発表できているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究計画を遂行していく。
|
Causes of Carryover |
これまでの研究では、予定よりも少ない研究費で結果が得られていたため次年度使用額が生じました。また、今後は予定通りに研究計画を遂行して研究費を使用する予定です。
|