2021 Fiscal Year Research-status Report
運動器廃用性疼痛動物モデルを用いた免疫応答制御による疼痛メカニズムの探求
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21K09201
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
若林 弘樹 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (50362687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 啓広 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60196904)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 関節炎周囲疼痛 / 運動器 / 廃用 / 骨粗鬆 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 関節炎周囲モデルにおいて疼痛評価を確立して関節炎周囲疼痛モデルを確立した。8週齢雌DDYマウス足背に炎症物質として完全フロイントアジュバント(Complete Freund's adjuvant, CFA)を投与して足趾関節炎を生じさせる。コントロール群は生食を足背に投与した。CFA投与後3日から4週目まで定期的に足の腫脹を測定し、von Frey filament testにより膝関節を刺激して疼痛関連行動を評価を行った。疼痛評価は逃避行動を起こす最小の刺激強度(閾値), up-down methodを用いた50%閾値にて評価を行った。疼痛評価においてCFA投与後7日および14日後でCFA投与群が生食投与群(コントロール群)と比較して有意に膝関節の疼痛閾値が増加し、疼痛過敏が認められた。我々は関節炎周囲疼痛モデルを確立した。 2.関節炎周囲疼痛モデルにおいて疼痛閾値上昇部位で骨粗鬆化していることを見出した。上記1でのモデルマウスにおいて安楽死後μCTを用いて骨塩定量および骨形態計測を行い評価したところ脛骨近位部の骨塩定量および骨形態計測ではCFA投与群が生食投与群と比較して有意に骨の粗鬆化が認められた。 3. 関節炎周囲疼痛モデルにおいて下肢骨当該領域の後根神経節において疼痛関連タンパクが有意に上昇していることを見出した。上記1でのモデルマウスにおいて下肢骨当該領域の後根神経節である第4腰髄神経根を採取し、免疫組織学的に疼痛関連タンパクを評価した。疼痛関連タンパクはcalcitonin gene-related peptide (CGRP)を評価した。第4腰髄神経根においてCGRPは生食投与群(コントロール群)と比較してCFA投与群では有意にタンパクの発現が上昇していることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関節炎周囲疼痛モデルを確立し、そのモデルにおいて組織学的に疼痛関連タンパクが上昇していることを見出し、疼痛閾値上昇部位で骨粗鬆化していることを見出した。以上の成果から、今年度における薬物治療による評価・検討を予定している。 下肢骨の組織学的検討においても現在行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ビスフォスフォネートおよび抗サイトカイン治療による薬物治療による疼痛抑制効果について動物モデルを用いての検討を計画している。疼痛抑制効果と骨形態計測および後根神経節での組織学的検討も計画している。
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Causes of Carryover |
今年度はモデル確立を達成したが、COVID-19の影響もあり、動物実験数が予定よりできなかったこと、また積極的な学会参加を見送ったために次年度に使用額は生じた。 次年度はビスフォスフォネートおよび抗サイトカイン治療による薬物治療による疼痛抑制効果について動物モデルを用いての検討を計画している。疼痛抑制効果と骨形態計測および後根神経節での組織学的検討も計画している。
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