2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K09211
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
木戸 勇介 和歌山県立医科大学, 医学部, 準客員研究員 (60895738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 洋 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10326382)
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60401064)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子どもロコモ / 運動器健診 / 立ち上がりテスト |
Outline of Annual Research Achievements |
「子どもロコモ」とは、片脚立ち、しゃがみ込み、両肩挙上、体前屈の4つの動作のうち1つでも出来ない状態を指す。中学校2校における運動器健診の結果、第1回は56.1%、第2回は47.2%、第3回は36.7%の生徒が子どもロコモと判定された。この割合が減少してきた理由については、健診や結果・対策法の説明会を実施したことにより関心が増えたこと、コロナ禍による活動自粛がなくなってきたこと、被検者が健診内容に慣れてきたこと、季節が異なること、と考察した。一方で、現在の判定基準では、「柔軟性低下」が「子どもロコモ」と同等に扱われていることが判明し、本来警鐘を鳴らすべき「ケガをしやすい児童生徒や将来的にロコモティブシンドロームに陥る可能性が高い児童生徒」を見逃す恐れがあることが示唆された。 そこで、既存の子どもロコモ判定基準に代わる新しい健診項目を模索中である。立ち上がりテスト(高齢者のロコモティブシンドローム判定基準の1つ)、骨密度検査、BDHQなどを追加した運動器健診を中学校1校と小学校5校(約700名)で実施した。30cmの台から片脚で立ち上がることができるかどうかで2つのグループに分けると、できなかったグループでは過去に骨折した経験が有意に多かったことがわかった。新しい健診項目として有用な可能性が示唆されたが、台の高さを一律で設定しているため、学年や身長による調整が必要かどうかが今後の検討課題である。 本助成事業の成果は学会・学術誌への発表がまだであり、日本学校保健学会学術集会(2023年秋)や、日本整形外科学会学術集会(2024年春)などでの発表を計画中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症蔓延の遷延により、進行が遅れていたが、2022年後半より健診業務を再開することが出来ており、2023年1月にも約600名の小学生健診を実施することが出来た。本年度で遅れを取り戻すべく、進展する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
【研究実績の概要】に記載した通り、引き続き健診結果の解析と課題の解決を繰り返しおこなう予定である。
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Causes of Carryover |
進捗状況がやや遅れており、学会報告・学術誌への投稿が遅れている。そのため、今年度これらをおこなう必要があるため、次年度使用額を活用させていただきます。
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