2022 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集によるsyngeneic系を用いた(肉腫型)転座発がんのメカニズム解明
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21K09230
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
田仲 和宏 大分大学, 医学部, 教授 (10274458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 正典 大分大学, 医学部, 助教 (30571773)
織田 信弥 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 腫瘍遺伝学研究室長 (40333372)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肉腫 / 染色体転座 / 融合遺伝子 / DNA二本鎖切断修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
肉腫の多くで疾患特異的な染色体転座とその結果生じる融合遺伝子が存在し、発がんに寄与するものと考えられている。染色体転座の発生においては、「相同組換え」(Homologous Recombination)および「非相同末端結合」(Non-homologous End Joining)等のDNA二本鎖切断修復(DNA double strand break repair)過程が重要な役割を演じている。これまで、染色体転座は非相同末端結合により生起していると考えられてきたが、申請者の研究グループの先行研究では、転座陽性細胞において、相同組換え径路の広範な活性化が明らかになった。本研究では、肉腫型染色体転座を再構成するin vitroモデル系を構築し、転座型発がんのメカニズムを明らかにすることを目的とする。転座in vitroモデル系が構築されれば、普遍的な発がんメカニズムのひとつである染色体転座による発がんメカニズムの解明が期待される。相同組換え経路による転座発生の可能性を追求する研究は世界的にもほとんどなされておらず、相同組換え経路による肉腫型染色体転座を再構成するin vitroモデル系を構築しようとする試みは本研究が初めてである。研究2年目の令和4年度においては、令和3年度に引き続き染色体DNAにintegrateされたトランスジーン構造を利用した相同組換え反応を観察可能なシステムを構築を目指したコンストラクト作成に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
相同組換え反応を観察可能なシステム構築を目指したコンストラクト作成を行った。今後もシステムのバリデーションに継続して取り組んでいく。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果を踏まえ、肉腫型染色体転座を再構成するin vitroモデル系の構築をさらに進める。
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Causes of Carryover |
実際の消耗品の購入額が予定より少なかったため次年度への繰越が生じた。繰越した金額については当初計画の通りに消耗品として使用する予定である。
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