2023 Fiscal Year Annual Research Report
Examining the mechanisms through which GLP-1 receptor agonists ameliorate the secondary injury process of spinal cord injury
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21K09238
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
加藤 裕幸 東海大学, 医学部, 准教授 (40348678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 雅彦 東海大学, 医学部, 教授 (40220925)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 二次障害 / アポトーシス / 小胞体ストレス / マクロファージ極性 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは損傷脊髄におけるアポトーシスの経路として小胞体ストレス応答に着目し,小胞体ストレス保護作用が報告されている糖尿病治療薬であるグルカゴン用ペプチド-1 (GLP-1)受容体作動薬エキセナチドの効果を検証してきた.エキセナチドの投与により小胞体ストレスに対し細胞保護的に働くGRP78の増加, pro-apoptotic transcription factorであるCHOPの抑制を確認し,エキナセチドが小胞体ストレス応答を増強してアポトーシスを抑制することを報告した.また,エキセナチド投与により抗炎症/組織修復に関与するM2マクロファージが有意に増加し,炎症/組織傷害に関連するM1が損傷後に有意に低下していたことから,エキセナチドがマクロファージの極性転換を誘導することも確認した.更に RT-PCRによりTNFα ,IL-1β等の炎症性サイトカインの減少し,IL-4,IL-10の抗炎症性サイトカインの上昇を確認し,これらの結果として後肢運動機能の有意な改善が得られた. 二次障害の中心となる炎症反応におけるGLP-1受容体作動薬の作用経路の解明が不十分のままでは臨床応用を進めるのは困難であるため,その機序の解析を更に追跡してきた.脊髄損傷後の二次障害で血液脳脊髄関門が破綻することが報告されているため,エキセナチド投与の効果を調査した.損傷後にEvans Blueを頚静脈内に投与して脊髄内に析出した色素量を分光光度法で測定したところ,損傷後48時間で色素漏出がエキナセチド投与群で有意に低く, tight junctionタンパクZo-1, claudin-5の発現がエキセナチド群において有意に高かった.従って,エキセナチドを投与することにより血液脳脊髄関門の破綻が抑制され,炎症反応の軽減が得られることを確認した.
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