2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K09244
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
菊地 克史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (00602062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 信吾 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (40462220)
麻生 義則 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, ジョイントリサーチ講座教授 (50345279)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | PAI-1 / 肉腫 / 増殖 / RNAseq解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗がん剤が大半の骨軟部肉腫に作用し難いことは、肉腫治療における大きな課題である。また、高悪性肉腫の場合は、肉眼的には完全に肉腫を切除できた場合でも、しばしば再発や転移が問題となり、このような症例は抗がん剤治療のみではコントロールができず、予後不良となる。このため、抗がん剤に代わるもしくは抗がん剤と併用する新たな肉腫治療薬が希求されている。我々はヒト肉腫細胞株であるSaOS、U2OS、ANOS、およびヒト正常滑膜幹細胞にPAI-1阻害剤であるTM5484を作用させてMTT assayを行ったところ、正常滑膜幹細胞には影響がないものの、ヒト肉腫細胞株に対してはいずれも増殖を阻害することを見出した。今年度はPAI-1阻害剤が増殖のみを阻害するか、あるいはアポトーシス活性を活性化するかを検証した。PAI-1阻害剤はU2OSのcaspase3活性を増加させずTUNELアッセイでもアポトーシス細胞を増加させなかった。一方U2OSのBrdUとりこみを阻害した。以上よりPAI-1阻害剤はU2OSの増殖を阻害するがアポトーシス活性は増加させないことが明らかとなった。現在MetascapeによりRNAseq解析を進めているが、PAI-1阻害剤により細胞増殖に関連するシグナルが変動することが明らかとなっている。以上in vitroにおける肉腫細胞代謝に対するPAI-1阻害剤の効果が明らかとなったことから、今後、マウス移植モデルを使ったin vivoでの検証に移行することを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroにおける肉腫細胞代謝に対するPAI-1阻害剤の効果が明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAseq解析を完成させPAI-1阻害による肉腫細胞制御機構を明らかとする。成果を論文化する。マウス肉腫移植モデルを用いたPAI-1阻害剤の播種/転移抑制効果、および抗がん剤感受性に対する影響の検証に進む。
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Causes of Carryover |
次年度使用分は端数であり、消耗品購入に充当する。
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