2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploration of the homeostatic mechanisms on the joint metabolism regulated via extracellular vesicles.
Project/Area Number |
21K09245
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
目良 恒 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任講師 (70650381)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 友晴 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00773607)
谷藤 理 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30748348)
石橋 宰 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70293214)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 変形性膝関節症 / 関節内代謝 / 滑膜組織 / フローサイトメーター / RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題採択後、当施設の倫理審査の追加申請を行い承認された。当施設で行われる人工膝関節全置換術を対象に、術前に本課題に関するインフォームドコンセントを治療とは別に得て研究は実施されている。 前年度までに、術中に膝蓋下脂肪体および膝蓋上嚢から得られる膝関節滑膜を試料とした細胞分析の実験系を新たに確立し、SOP:Standard Operating Proceduresを作成した。具体的には、Beckman Coulter社製:Cytomics FC500を用い、当該提供会社の技術教育・支援を受け、細胞分析を行う際の抗体選定・ゲーティングストラテジーおよび一連の予備実験を行い、同組織中のマクロファージ極性解析および間葉系細胞(MSC)の定量解析の標準操作手順を確立した。当初予定していたリンパ球サブセット検査などは実験が煩雑になるため実施を断念した。 目標とする20症例に対して、現在17症例で人工膝関節全置換術時の滑膜組織が得られている。それらに対して細胞分析を行い、上記マクロファージ極性解析および間葉系細胞(MSC)の定量解析結果を得ている。更に滑膜組織の一部はRNA解析用および組織解析用に、それぞれRNA抽出および組織切片作成まで作業は進んでおり、新潟大学整形外科教室および当施設に保管されている。また、17症例中の15例で術中関節液が採取され、細胞成分を除去した後、RNA解析用に当施設の-80℃冷凍庫に保管されている。 術前の各症例はデータベース化され、臨床評価などの基礎データは電子カルテ上に保管されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞分析の実験系確立・SOP作成のため、準備計画期間をあわせて約半年間を要した。目標とする20症例に対して、現在17症例の滑膜組織の細胞分析結果が得られている。さらに同組織のRNA抽出および組織解析用切片作成までは進んでいるが、それらの解析が未実施なため、進捗状況を以上のように評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、滑膜組織のRNA解析を進め、注目する遺伝子発現の定量化する。これら解析結果に基き、注目する細胞に対して関連が示唆される発現遺伝子を3-5種類程度に絞り込む。さらに、免疫組織染色にて、組織内における注目細胞および当該タンパクの空間的局在を調査する。また、絞り込んだ遺伝子の発現量の上位3例(高発現群)と下位3例(低発現群)を抽出し、保存しておいた同症例の関節液についてRNA-seqによるmiRNAの2群間比較を行う。発現量に2倍以上の差のあるmiRNAを選別し、残りの症例をあわせたmiRNAと滑膜組織中のmRNA発現量との症例間の相関を検討する。 各症例のデータの均質性・ばらつき・誤認などに起因する問題で、当初計画の変更を余儀なくされたり、新たに課題が生じたりする可能性が考えられる。その際は検討項目の修正および症例の削除・追加などを進捗に応じて適宜行うこととする。
|
Causes of Carryover |
当該年度はコロナ禍にあり、分担研究者の学会参加費および交通費などの支出が少なかったため、次年度使用額が生じた。これらの所要額は次年度に同目的もしくは試薬購入および外部委託費用として適正に使用する予定である。
|