2021 Fiscal Year Research-status Report
人工関節感染の早期診断における新規バイオマーカー関節液中プレセプシンの有用性
Project/Area Number |
21K09251
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
今釜 崇 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (00634734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 孝司 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00444539)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人工関節感染 / プレセプシン |
Outline of Annual Research Achievements |
人工関節感染は発生率が数パーセント程度と稀な合併症である。しかし感染がおこると細菌は人工関節表面にバイオフィルムを形成し、抗菌薬の効果を低減させるため感染の治癒が困難になる場合も少なくない。その場合、当該関節の機能は著しく低下し、永続的な日常生活活動の低下を引き起こす。それを改善させるためには、まず早期に診断することが重要である。しかしこれまで感度、特異度の高い診断方法はなく、特異的バイオマーカーが必要とされている。そこで今回、人工関節感染の早期診断を目的とした新規バイオマーカーの開発を目標に、実臨床で人工関節感染と診断された患者の血液、関節液を採取しC-reactive protein、プロカルシトニン、プレセプシン等のマーカーを測定中である。対象として人工関節のゆるみを認めた患者や、術後疼痛や関節水腫を認める患者の血液、関節液も同様に採取して各バイオマーカーを測定中である。中でもプレセプシンは敗血症の特異的バイオマーカーとされており、我々の先行研究でも、化膿性関節炎の血中、関節液中プレセプシンが有意に上昇することがわかっている。特に関節液中プレセプシンは感度、特異度が高いことが明らかになっており、期待できるバイオマーカーと考えている。各群の症例数がまだ少なく解析はできていないが、人工関節感染に特異的なバイオマーカーが発見できれば、早期診断、治療が可能となり人工関節感染の治療成績向上や治療期間短縮が可能となる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工関節感染群、非人工関節感染群ともに順調に症例数は増えている。数例の一部データの欠損もあるが、このまま順調に経過すれば予定通り解析でき、結果を出せると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き症例数の蓄積を人工関節感染群、非人工関節感染群ともに行い、予定症例数に達すれば統計学的解析に移る予定である。
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Causes of Carryover |
初年度は関節液等の検体の集積が中心となり、解析数が比較的少なかったためプレセプシン検査キットや採血管等の使用量が予定より減り次年度使用額が生じた。今後は解析も同時に行う予定で、主にプレセプシン検査キット、採血管等の物品費、統計解析用のソフトおよびパソコンを令和4年度の研究費と併せて購入予定ある。
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