2023 Fiscal Year Research-status Report
血液神経関門の保護に着目した、神経伸長に伴う疼痛に対する新規薬物療法の開発
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21K09262
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
横田 淳司 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10449564)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 末梢神経 / 神経伸長損傷 / 疼痛 / 血液神経関門 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度はラット坐骨神経緩徐延長モデルを用いて、伸長神経における血液神経関門を構成する各種膜蛋白およびVEGFの遺伝子発現を、最新式のデジタルPCRを用いて①伸長終了翌日②伸長終了10日後③伸長終了30日後④伸長終了50日後 の各タイムポイントにおいて検討した。その結果、伸長神経においては、伸長終了後30日時にはVEGF-Aの遺伝子発現が有意に上昇していることを見出した。この結果より神経伸長損傷後に神経支配領域の疼痛が遷延するメカニズムのひとつにVEGFの発現上昇が関与していることが推察された。反面、各種膜蛋白の遺伝子発現については有意な変化は認められなかった。 一方、並行して施行予定であった組織学的検討では、血管透過性の評価目的にこれまで使用していたNaFは敏感すぎて半定量化が難しかったため、本年よりエバンスブルーに変更して施行予定であった。しかしながら後述するように研究代表者が当施設に開設された救命救急センターでの救急対応に忙殺され、解析が進まなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学付属病院では1昨年より救命救急センターが発足し、それに伴い緊急手術を要する切断指や開放骨折や、入院、手術治療を要する四肢外傷の搬送が激増した。その対応に追われ、動物実験を中断せざるを得ないことが増えたため、令和5年度に行う予定であった組織学的解析が殆ど進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は本学大学院生も実験グループに加わり、代表者が救急患者対応で実験を中断することになった際に大学院生がバックアップできる体制を構築している。令和6年度は伸長神経の血管透過性、VEGFの蛋白レベルでの発現を組織学的、免疫組織化学的に検討する方針である。
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Causes of Carryover |
診療業務で多忙であったため、予定していた実験の一部が実施できず、次年度使用額が生じた。これを令和6年度に予定している伸長神経の組織学的、免疫組織学的検討用試薬の購入にあてる予定である。
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