2022 Fiscal Year Research-status Report
Effects of elastic fiber on pahology of frozen shoulder
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21K09267
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩原 嘉廣 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (90436139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 裕 東北大学, 医学系研究科, 講師 (00803016)
土谷 昌広 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (60372322)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 凍結肩 / プロテオグリカン / 弾性線維 |
Outline of Annual Research Achievements |
激烈な疼痛と関節可動域制限(関節拘縮)を主訴とする「凍結肩(五十肩)」は5%の有病率とされ (Sheridan MA, 2006)、本邦では少なくとも600万人以上が罹患しているものと推定される。「凍結肩は自然に治る」という一般認識が浸透し、適切な治療が必要にも関わらず医療機関を受診していない可能性が高く、潜在的な患者は相当数存在するものと考えられる(Shaffer B, 1992)。一方、関節可動域は加齢とともに減少することも知られている。関節可動域制限は患者本人の日常生活動作だけでなく、介護者の負担も増すため、超齢社会の本邦においては、その予防・治療法の開発は喫緊の課題である。 本研究の目的「凍結肩の関節包の硬化メカニズムを弾性線維の生合成に着目して解明を試みるだけでなく、新たな治療方法を開発すること」である。 本年度はヒトサンプルの解析を中心に行った。凍結肩とコントロールとして使用した関節拘縮のない腱板断裂の関節包を比較すると、凍結肩でデコリンの減少とアグリカンの増加が確認できた。これまで難しかった凍結肩サンプルからのプロテオグリカンの調整、SDS-PAGE、ウェスタンブロッティングを確立できたこと今後の研究を進める上で大きな進歩で有った。デコリンの減少が組織のコラーゲン線維の過剰沈着と、不規則なコラーゲン線維形成、組織の切開かに影響を与える可能性が示唆された。また、アグリカンの増加は線維化に対する修復過程である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コントロールの腱板断裂とは異なり、凍結肩の関節包の部位ごとにデコリン糖鎖の分布が異なっていた。これまでの研究結果と同様に上部と下部では病態がことなり、新たな治療法、診断法の確立の一助となりうる。
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Strategy for Future Research Activity |
デコリン、アグリカンの分布を確認し、部位ごとに病態の解明を行い、新たな治療法につなげる。
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Causes of Carryover |
コロナの影響があり、手術件数が制限され、目的とするサンプル数が得られなかった。今年度は手術件数の増加が見込まれ、解析が進むものと考えられる。
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