2022 Fiscal Year Research-status Report
内側半月板後根断裂の治癒促進と膝関節軟骨変性の抑制
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21K09279
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
古松 毅之 岡山大学, 大学病院, 講師 (20432651)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 半月板 / 関節軟骨 / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工膝関節置換術の際に採取した内側半月板と膝関節軟骨から、それぞれ半月板細胞と軟骨細胞を分離・培養した。初代培養からP2まで継代培養を行い、細胞増殖能・遺伝子発現の変化を比較検討した。それぞれの細胞において、細胞増殖能は各継代ごとに維持されており、P2までの継代操作による悪影響は認められなかった。得られた半月板細胞は線維芽細胞様の形質と一部に軟骨細胞様の形質を維持していた。得られた軟骨細胞におけるII型コラーゲン・SOX9の発現も確認された。しかし、軟骨細胞に特異的に発現しているとされる転写因子SOX9や、そのSOX9に発現を制御されるII型コラーゲンは、継代培養により容易にそれらの発現量が減少してしまう。そのため、継代数と培養期間の厳密な管理が必要であった。 超音波刺激下における細胞増殖能には半月板細胞・軟骨細胞ともに変化が認められなかった。II型コラーゲン・SOX9のmRNA発現における変化を、RT-PCR、およびreal-time PCRを用いて比較検討したが、有意な差は認められていない。一方で、半月板後根部から採取したroot細胞は、半月板実質部のmeniscus細胞と異なる形質を維持していることが確認された。Root細胞の形質は靱帯・腱などを構成する線維芽細胞に近いものと推察された。Root細胞の増殖活性は、meniscus細胞・軟骨細胞よりも高いという結果が得られており、今後は超音波刺激に対するroot細胞の細胞増殖能の変化を観察し、遺伝子発現のパターンも解析する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組織サンプルとして適切な症例が不足していること、関節軟骨と半月板の状態がそれぞれの症例で一定ではないことが理由として考慮される。
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Strategy for Future Research Activity |
内側半月板後根断裂後に人工膝関節置換術を余儀なくされた患者の関節軟骨採取部位を限定する予定である。培養細胞として利用する関節軟骨細胞の採取する層も一致させる。これにより、超音波刺激に対する細胞の反応性がある程度は統一されるものと考える。
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Causes of Carryover |
超音波刺激により目的とする遺伝子の発現を増強させる条件が最適化できておらず、細胞培養関連試薬、PCR関連試薬、免疫染色関連試薬等の消耗が少なかったため。 次年度は、これらの消耗品に使用する予定であった経費が必要になるものと考える。
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