2021 Fiscal Year Research-status Report
Verification of the effect of Myostatin on promoting tendon healing and development of novel treatment for tendon injury
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21K09296
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
林 正徳 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (20624703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二村 圭祐 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00462713)
北村 陽 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (00836033)
岩川 紘子 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (40770772)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腱細胞 / 腱幹/前駆細胞 / 骨髄間質細胞 / 筋芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、まずBiらの方法(Bi et al. Nature Medicine 2007)に準じて、マウス(C57BL/6)からアキレス腱を採取し、腱幹/前駆細胞の初代培養を行った。培養条件は基本的にオリジナルに準ずるものとしたが、各培養ごとに細胞増殖にばらつきが出てしまったため、試薬や血清の変更など、培養条件の検討にかなりの時間を要した。さらに、比較的良好な増殖が得られた培養細胞について、腱幹/前駆細胞の細胞表面マーカーであるSca-1,CD44, CD99.2の発現を用いて調べたところ、いずれのマーカーについても発現の再現性を十分に得ることができず、最終的にin vivoの実験に使用する細胞としては適していないと判断した。そこで、腱幹/前駆細胞、骨髄間質細胞の採取については、それぞれの細胞に特異的な細胞表面マーカーを用いてフローサイトメトリーによるソーティングを行うこととし、筋芽細胞についてはMotohashi らの方法(Motohashi et al. J Vis Exp 2014)に準じてMACSを用いて採取する方法に変更した。現在、腱幹/前駆細胞、骨髄間質細胞のソーティングについては条件検討を行なっているが、まだ採取にまでは至っていない。また、筋芽細胞についてはMACSを用いた採取までが完了しており、その後の培養条件について検討とMyostatinによる分化誘導アッセイを行っている。さらに、次年度以降の実験に用いるマウス腱損傷モデルについては、予備実験として実際にモデル作成し、サンプルの作成やその後のアッセイのための条件検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、Biらの方法に準じて、マウスの腱幹/前駆細胞の初代培養を行ったが、細胞の増殖にばらつきが出てしまい、血清のロットを変えるなど、培養条件の検討にかなりの時間を要してしまった。また、比較的良好な増殖が得られた培養細胞について、腱幹/前駆細胞の細胞表面マーカーの発現をフローサイトメトリーにより確認する作業を行ったが、マーカーの発現が十分に確認できないことが多く、さらに、こちらも抗体の変更などの条件検討に時間を要してしまったことが主な要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っている腱幹/前駆細胞、骨髄間質細胞のソーティングによる採取については、そのまま継続し、採取が完了したところで、培養条件の検討を行う。また、筋芽細胞については採取までが完了しているため、培養条件の検討を継続する。しかし、初年度のマウスの腱幹/前駆細胞の初代培養でもみられたように、培養により細胞の性質が変化してしまう可能性が考えられるため、各細胞間のRNAシークエンスによる遺伝子発現の比較については培養を経ずに採取直後の細胞を用いて行う方向で検討している。当初は培養系を用いてMyostatinによる腱細胞への分化誘導を行い、腱細胞へ最も効率よく分化する細胞を同定し、それをin vivoの実験に用いる予定であったが、上記の理由でin vivoの系に反映する正確な結果が得られない可能性があるため、培養系での分化誘導アッセイは継続しつつ、採取した3種類の細胞をそのままin vivoの実験に使用することも検討していく。 また、マウス腱損傷モデルについては、その後のアッセイの条件検討を継続し、計画では最後に行う予定であったMyostatinの腱損傷部位への局所投与による腱治癒促進効果の実験を先行させる方向で考えている。
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Causes of Carryover |
マウスの腱幹/前駆細胞の初代培養にかなりの時間を要してしまったため、その後の実験に必要な実験器具および試薬類を購入していないこと、また、初年度予定していたRNAシークエンスが施行されていないことが、次年度使用額が生じた主な要因である。
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