2021 Fiscal Year Research-status Report
変形性関節症における力学的負荷に対しスクレロスチンが関節軟骨に果たす役割の解明
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21K09305
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
熊谷 研 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10468176)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 力学的負荷 / 軟骨 / スクレロスチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では変形性関節症(OA)の発症や進行に関するメカニズムとして、力学的負荷と関節軟骨におけるWnt/β-cateninシグナルを介した軟骨内骨化過程の関与に着目した。「OAのような過剰な力学的負荷が加わる環境下において、スクレロスチンは軟骨内骨化を抑制し、関節軟骨を維持するように作用するか」について検証することを目的として調査を行う。令和3年度は、以下の2つの実験を行った。 ①OA 関節軟骨におけるスクレロスチン発現の局在を評価:内反変形を伴う膝OAで人工膝関節置換術を行った症例から切除された関節軟骨を採取し、組織切片を作製した。サフラニンO染色を行い、ICRSスコアにて軟骨変性を組織学的に評価するとともに、スクレロスチンの免疫染色を行い、陽性細胞数をカウントした。スクレロスチン発現の局在と軟骨変性度の関連性を評価した。OAの進行とスクレロスチン発現との関連性を示すことができた。 ②In vitro軟骨分化での力学的負荷モデルの作製:ヒトOA由来軟骨細胞を単層培養し、力学刺激培養装置にて伸張の力学的負荷をかけ実験を行った。伸張の条件や解析までの時間などの条件を変えながら、リアルタイムRT-PCRにてSox9, Runx2, Col1a,Col2a1, Col10a1などの軟骨分化関連遺伝子の発現を評価した。新たに導入した装置のため、再現性のある条件を見つけるのに難渋した。現在実験モデルを確立するため、最適な条件を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膝OA症例軟骨の組織学的評価は予定通りに行うことができた。一方、In vitro軟骨分化での力学的負荷モデルの作製において、条件検討が当初の予定通りに進まず、現在も検討中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に予定通り達成できなかった部分については、速やかに終了するよう進めていく。前年度の結果を踏まえ、今年度は軟骨への力学的負荷とWntシグナルおよびスクレロスチンの遺伝子発現および抑制した場合に及ぼす影響を調査する。
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